カバーリングのすゝめ

 まず、最初にいっておくが、諸氏等のプレイグループのGMが重圧を多用するGMであるなら、この記事はほとんど役に立たないので読み飛ばす事を勧める。

 そうでない場合は、それなりに役立つ場合もある内容の記事であると思われる。


 さて、前置きはともかく、DX3rdのエフェクトは(無駄に)非常に多彩かつ膨大な数があるが、中でも「ビルド関係なく1つだけ勧めるエフェクトがあるならどれ?」といわれたら、筆者が勧めるエフェクトは一般エフェクトの「カバーディフェンス」である。

 無論、諸氏等の選択したシンドロームが自前でカバーリングエフェクトを持っているシンドロームであるなら、そちらの方が単純に上位互換であるので、そちらを勧める。

 ともかく、筆者はカバーリングエフェクトを、他のエフェクト群よりも頭一つ抜けた汎用エフェクトであると認識している。

 

 何故かというと、カバーリングエフェクトは単純に強いからである。

 例えHPが低く、装甲を持っておらず、ガード値もなけりゃ、ダメージ軽減の手段も当然のように持っていないPCが使っても、カバーリングエフェクトは強いのである。

 支援屋や火力屋がぽつんと一つ単品で握るだけでも強いと約束する。

 

 無論、理由はいくつかある。

 

 まず、単純に誰かを庇うというRPがしやすくなる。

 これは護衛しなければならないようなNPCを咄嗟に守る場合などにも有用であり、また、攻撃一辺倒のPCに一枚忍ばせるだけで「ぶっきらぼうに見えて意外と仲間思い」などのツンデレ効果も期待できる。

 まぁ、逆にそういうデレ要素を入れたくないPCの場合は設定的に邪魔になる事もあるので、これは単純に善し悪しであるが。


 それはそうと、本命の理由は無論、戦闘面での有用さである。

 端的に言って、戦闘面において常に高い効果を期待できる防御手段がカバーリングエフェクト群なのである。

 DX3rdの戦闘リソースは主にHP、侵蝕率、ロイスの三種類であるが、このうち、最も大事にしなければいけないリソースがロイスであることは周知の事実と思われる。

 侵蝕率が高まっていればロイスと侵蝕率の関係は逆転することもあるが、基本的に150%以下程度までなら、ロイス>侵蝕率>HPという価値基準はほぼ固定されていると思われる。

 そして、そういう状況下であるなら、リソース調整を能動的に行う事が出来るカバーリングエフェクトは、PT全体の生存率を飛躍的に高める優秀エフェクトになる。


 例えば、「リザレクト」がまだできるPCと、もう100%を超えてしまい、倒れればロイスを切るしかないPCがいるとする。

 このPCを単純に「リザレクト」ができるPCが庇うだけでも、ロイスを一つ守る事になる。

 いってみれば、ことリソース守護という点のみに着眼すれば、「時の棺」と似たような効果が期待できるのである。

 無論、ロイスの数が少ないPCを、ロイスの数が多いPCが庇うだけでもいい。


 さらにいえば、ボスならお得意の「加速する刻」からの高火力範囲攻撃やシーン全体攻撃に対しても非常に有用である。

 PC全員がダメージを受けなければいけないところを、カバーリングで一人分軽減することで大幅に被害を抑えることが出来る。

 また、これは大声ではいえないことだが……GM側からしても、突出して被害を受け過ぎているPCのダメージを他の元気なPCが請け負ってくれることは全く有難い事であるため、多くの場合においてWIN・WINの関係になるのである。

 

 普通のシステムであるなら、だいたいにおいてHPは重要なリソースであり、それが大幅に失われやすいカバーリングは壁御用達といった趣があるが……DX3rdは御存知の通り、侵蝕率やロイスに比べればHPは飾りになりやすいシステムであり、戦闘不能からの復活も容易であるため、単純なダメージコントロールを行うだけでも大きく被害を低減する事が可能なのである。

 

 故に、もし「もう15点余ったけど、何取るか決められないなぁ」などと思った場合は、係数2以下の低係数攻撃エフェクトなどのないよりマシ程度のエフェクトを追加でとるくらいなら、カバーリングエフェクトを取ってみることを筆者はお勧めする。

 一般エフェクトの「カバーディフェンス」なら大半のPCは取得可能であるし、自前でカバーリングエフェクトを持っているシンドロームであるなら、単純にそれらを取ればOKである。

 

 爆発的なダメージや達成値を叩き出せるところがDX3rdの戦闘の楽しさでもあるが、当然ながら、それだけがPCの性能を決定づける物ではない。

 もし、これを読んでいる貴方が、地味ながらも確実なダメージコントロールで着実にアドバンテージを重ねるプレイをしてみたいと思っているのなら、是非とも一度、単品でカバーリングエフェクトを扱ってみてほしい。

 

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