ダブルクロス３ｒｄ シンドローム考察・寸評

キュマイラ

●解説

　ビルド適正：白兵、ガード

▼概要

　距離を詰めて相手がくたばるまで殴り続ける事以外何もできない哀しいバケモノになる事を強いられるシンドローム。

　お陰でここにああだこうだ書くことがほとんどない。

　圧倒的な白兵戦闘能力を持ち、他には何一つ満足に仕事が出来ない尖りきった性能を持つ。

　また、「竜鱗」の存在により、装甲無視を持たない相手に対しては滅法強く、平気でノーダメージの上にクソ火力で殴り返してくるという悪夢のようなワンサイドゲームが展開される。

　ただし、瞬間火力自体は他のシンドロームの方が割と簡単に出るので、キュマイラはバフによる継続火力と継戦能力がどちらかといえば売りである。

　また、カバーリングエフェクトの「軍神の守り」や高係数ガードエフェクトの「イージスの盾」なども所持しているため、ガード屋もいける。とはいえ、基本的には兼任程度である。あくまでキュマイラの本分は白兵屋であり、他のビルドを組む場合はルールやエフェクトに対する理解と習熟が必要になる。

　RC攻撃もいくらか持っているが、別に忘れて構わない。

　弱いわけではないので使いたい人は使ってもいいが、それこそ別のシンドロームでいい。

　ミドルの情報収集シーンでは当然ながら置物である。戦場以外にキュマイラの生きる場所などない。

　また、身体の変異が著しいシンドロームなのでNPCヒロインなどに気安く「いや！　こないでバケモノ！」とか言って貰えるという利点もある。

　無論、優しくしてくれたNPC幼女などに「俺が怖くないのか……？」と尋ねる事も出来る。　

▼ピュアブリード

　ピュア制限エフェクトの「剛身獣化」と「増腕」の存在により、さらに禍々しいバケモノになる道が示されている。

　装甲とHPを盛りやすい関係で「復讐の刃」で殴り返してもHPが残ることも少なくない。

　重戦士として戦うのには申し分ない性能だが、行動値が低いせいで1ラウンドで敵に接近できなかったり、自前で装甲無視を持ってないせいで案外ダメージを弾かれたり、火力エフェクトを積み過ぎると命中やら移動やらの補助系エフェクトにあんまりレベルを回せなかったりとわりと器用貧乏である。

　とくに火力エフェクトの「神獣撃」は非常に強いのだが獣化を解除してしまうため、侵蝕率もかさむわ折角の永続バフも消えるわと中々に悩ましい性能である。

　経験点を十分に盛れる環境であるなら圧倒的火力により多少の装甲なんて気にもならないだろうが、そういう環境だと相手の装甲値も高くなってくると思われるので、Dロイスなどで装甲無視エフェクトを取得する事も視野に入れたほうがいい。

▼クロスブリード

　移動問題や装甲無視不在などのピュアブリードの欠点を補えるため、非常に使いやすい。

　ただし、キュマイラと組ませる時点でもう白兵屋になることは宿命のようなものなので白兵に適性があるシンドロームだけが選択肢に入る。

　特に素手の装甲無視エフェクトを取れるバロール、ブラム＝ストーカーと相性がいい。

　装甲無視だけでなく移動問題や射程問題、ついでにミドルの置物問題まで解決してくれるハヌマーンも無論有力候補である。

　ブラックドッグ、モルフェウスなども相性がいいが、このへんは武器を使う事が多いので、ビルドによっては「知性ある獣」を積まなければいけない分少し手間である。そもそも「完全獣化」を使わなければ済む話と言われれば……まぁ、それまでだが。実際、別に能力値だけで補えるので無理に使う必要はない。

　サラマンダーやエグザイルも悪くない。サラマンダーとエグザイルは装甲無視を持たない代わりに高い防御力を持っているため、キュマイラのタフさと噛み合うのである。射程問題を解決してくれる視界白兵攻撃を持っている点も嬉しい。

　無論、単純に高い肉体能力値と継戦能力を生かして、素直に回避エフェクトやガードエフェクトを取るのも手である。

▼トライブリード

　キュマイラは100%制限のエフェクトにあまり用がないので、白兵を使うならトライブリードにもよくお呼びが掛かる。「獣の魂」も「獣の王」も効果自体は強力なのだが、キュマイラは元から肉体能力値修正が高いうえ、その気になれば「完全獣化」による肉体ダイス増加なども出来るため、命中関連に関しては、最初から十分な達成値を賄えているのである。そのため、トライにしても欠点が目立ち辛い。サプリメント「エフェクトアーカイブ」以降のサプリメントに収録されているリミットエフェクトが軒並みキュマイラは優秀であるため、その取得条件を満たしやすくなる点も追い風である。高い肉体能力値修正も心強い。

　ただし、能力値修正がなく、優秀な80%制限のエフェクトがとれなくなるオプショナルで選択する事は余りないだろう。

▼専用Dロイス

　専用Dロイスは二種とも戦闘能力の向上に直結したDロイスであり、いずれも強力。汎用戦闘能力か単純火力かで選べるところもキュマイラらしい。

▼専用ユニークアイテム

　専用ユニークアイテムは「上級ルールブック」収録のものはどちらも使い切りのアイテムではあるが、効果がシーン持続のバフであるため、かなり使い勝手が良い。特に「禍々しき木の実」は概ね全てのキュマイラに需要がある。価格も安いため、クライマックス専用と割り切って一つ握るのも悪くない。ただ、キュマイラはエフェクトの係数が良いものが多いため、その経験点で同程度の係数のエフェクトが取得できるという欠点は当然あるが、これらのユニークアイテムはあくまで道具であるため、エフェクトと違って侵蝕率が上がらないという利点もある。

　サプリメント「インフィニティコード」収録のものはいずれもキュマイラには少し手が出しづらい装備品である。しかし、「アダプトアーマー」は「完全獣化」中でも装備できる例外装備であるため、ただでさえ低い行動値を多少下げてでも装甲が欲しいなら一考の余地がある。装甲だけでなく素手攻撃力の上昇効果もついているため、概ね価格相応の性能を有している。

　サプリメント「ネームレスシティ」収録のものは「覇王甲」が中々強力である。比較的安価であるため、「完全獣化」ビルドで経験点が余った時は、採用を検討してみると良いだろう。

　大幅にアイテムデータが追加・修正されたサプリメント「アイテムアーカイブ」では、限定的ではあるが、「復讐の刃」強化アイテムである「クライングストーン」が中々面白い。複数回至近距離で殴られるリンチ状況が多発する環境なら効果的である。

▼独断と偏見の便利エフェクト早見表

「完全獣化」

　永続自己バフ。キュマイラの象徴。

　とは言え、武器を使うなら基本積まない。肉体があるなら観賞用でしかない。

「イージスの盾」

　高性能ガードエフェクト。

　単純に強い。

「軍神の守り」

　カバーリングエフェクト。

　硬くなりやすいキュマイラには良く噛み合う。

「破壊の爪」

　素手攻撃力変更エフェクト。

　Lv1で十分強い。

「ハンティングスタイル」

　移動エフェクト。

　「完全獣化」などを使用しながら移動するために使う。

「ターゲットロック」

　係数3の攻撃力増加エフェクト。

　単体限定だがさりげなくシーン持続。非常に強力。

「復讐の刃」

　万能反撃エフェクト。

　同一エンゲージのみだが単純に攻撃回数が増えるのは強い。

「竜鱗」

　装甲増加エフェクト。

　脅威の係数10。残念ながら反撃やガードとは合わせられない。

「神獣撃」　80%制限

　攻撃力増加エフェクト。

　条件は重いがデタラメな威力なのでノーガード戦術なら有効。

「フルパワーアタック」　80%制限

　最高クラスの係数5攻撃力バフ。

　行動値は0になるがキュマイラにとっては誤差である。

「剛身獣化」　ピュア制限

　自己バフ。

　攻防を両立するので防御も検討するなら採用の価値がある。

「増腕」　ピュア制限

　クソ火力を範囲化できる。

　単体攻撃がほとんどのキュマイラには嬉しい。

「攻性変色」　リミットエフェクト

　暴走するが係数5の上にセットアップの超優秀エフェクト。

　ノーガード戦術なら是非。

「衝撃相殺」　リミットエフェクト

　ダメージ軽減エフェクト。

　ただでさえ硬い「竜鱗」が更に硬くなって手が付けられなくなる。

「ワイルドグロース」　リミットエフェクト

　セットアップで「完全獣化」できる。

　立ち上がりの遅さを改善してくれる優良エフェクト。

「狩りの統率者」　（カッティングエッジ）

　一風変わったバフ。

　仲間にも「ターゲットロック」の効果を適用する。雑に強い。

「パワースイング」　（カッティングエッジ）

　武器攻撃限定の係数3白兵攻撃力増加エフェクト。

　起点になるため、これも雑に強い。

「獣王の力」　リミットエフェクト（バッドシティ）

　係数4白兵攻撃力増加エフェクト。

　元のエフェクトも使いやすく、強力。

「歴戦の獣牙」　リミットエフェクト（バッドシティ）

　係数3の素手攻撃力増加。

　収録当初はそれほど見かけないエフェクトであったが……？

「破壊の爪」「一角鬼」　（アイテムアーカイブ）

　どちらも係数上昇の上に最大Lvが下がった。

　これにより、上述の「歴戦の獣牙」へのアクセスがかなり楽になった。