ブラム=ストーカー
●解説
ビルド適正:白兵、射撃、RC
▼概要
最多のエフェクト数を誇り、その約半数が従者(ゴミと読む)エフェクトである不器用シンドローム。
特徴としては、非常に攻撃的なシンドロームであり、ダメージ係数、命中ダイス数ともに申し分なく、白兵、射撃、RCどれでも万遍なくこなせるが、だいたいHPを食う。
これだけ書くと非常に強力そうであるが、HPを消費するエフェクトが多いことが最大の難点である。特に「エフェクトアーカイブ」環境では起点エフェクトが優秀な代わりにHPを2点前後消費するのが痛い。
DXのHP消費行動関係のルーリングは、倒れずに消費出来る分のHPが確保できていないとそもそもその行動を行えないという仕様があるため、これは即死ゲーであるDXにおいて「リザレクト」による復活後に最低数十%の確率でHP消費エフェクトが使えないとかいう事態に陥る危険性があるという非常に大きな欠点である。
具体例でいえば、「鮮血の一撃」や「滅びの一矢」などの起点エフェクトですら消費HPが2点であるため、HPが3点以上残っていなければ使えないのである。つまり、初期Lvの「リザレクト」後であるなら回復量は1d10点であるため、20%の確率でこれらを絡めたコンボが使えなくなるという事である。「リザレクト」のLvを上げればある程度回避できる欠点ではあるが、逆に言えばそうやって何かしらフォローを入れるか、目を瞑るかしなければいけない欠点であると言う事でもある。
有体で言ってしまえばイマイチ使いづらい。決して弱くはないが、なんというか、不器用である。
吸血鬼といえば強キャラという現代伝奇では正に定番になっているであろうセオリーをここでもまた覆してくるのがDXというゲームであり、むしろ吸血鬼的能力の源泉である血の確保に躍起にならねばならないというあたり、現代を生きる吸血鬼の世知辛さを存分に味わう事が出来ると言い換えられるのかもしれない。
また、戦闘に特化した性能であるため、ミドルは苦手であり、感覚能力値で情報収集できない状況では置物になりやすい。
イージーエフェクトも血液に関連するものが大半であり、使えないわけではないが状況が限られる。
従者については忘れて構わない。
残念ながら、現在の吸血鬼は気兼ねなく使用人を雇用できるほど懐が潤沢ではない。
どうしても使いたい人だけが頑張って雇用すればいいが、決してお勧めはしない。
ともあれ、何をするにもリソース管理が面倒なので、中級者以上向けシンドロームである。必要な経験点もかさみやすい。
……そして、本当に、どうしても、意地でも従者を雇用したい方の為に、一応、最低限どんなビルドでも使用に堪える方法を記載する。従者利用で最もお手軽なのは、Dロイス「黄昏の支配者」によって取得できる専用エフェクト、「従者の行進」を利用する方法である。運用は非常に簡単であり、自らの侵蝕率が100%を突破し、「リザレクト」が出来なくなったら、セットアップで「従者の行進」によって従者を未行動状態で呼び出し、本体共々ボスの攻撃がくるまで待機して、ボスの攻撃が来たら従者に本体なり周囲の仲間なりをカバーリングさせて致命打を避けるという運用である。無論、従者は即死するが、ロイスの消費をこれで1つは守れるので(2倍振り以上前提なら)悪い取引ではない。従者の消滅によって本体に掛かっていたダイスデバフも解除されるので、ボスの攻撃を凌いだ後は安心して本体も攻撃に移る事が出来る。
実際のところ、DXの戦闘はだいたい長引いても3ラウンドから4ラウンド前後で終了するので、1回攻撃を凌げるだけでも大きなメリットである。複数回攻撃の場合はどうせセットアップまで間に合わないので開き直って諦める。こういった使い捨ての運用であるならば、従者の強化をする必要がないため、「赤色の従者」のLvは1で良く、運用法も比較的楽であり、何より省経験点である。
具体的な数字を出すならば、「赤色の従者」で15点、「従者の行進」はDロイス取得でタダなので、実質的にエフェクト1個分の経験点で実戦投入可能である。
なんだったら、もう少し奮発して「声なき者ども」を取得すれば、「従者の行進」と互いの回数が許す限りセットアップで従者を召喚して防御態勢を整える事が出来る。
これもLv1で取得するだけで従者召喚が2回になるのでお得である。「従者の行進」と合わせてLvを上げれば運用回数も増えるが、前述したようにDXはそんなに長丁場の戦闘はあまりしないので、大幅にLvを上げる必要はないだろう。
▼ピュアブリード
感覚が高まるので素直に射撃屋にしてもいいが、白兵エフェクトの「渇きの主」が装甲無視にHP回復までついている非常に優秀なエフェクトであるため、白兵屋も強い。
命中なら射撃、威力なら白兵といった具合である。サプリメント「バッドシティ」を有するなら、射撃は「赫き猟銃」が頼もしい。
RCはHPを消費しない点が優秀であるが、だったら別のシンドロームを選択すればいいのでイマイチ。ただ、こちらもサプリメント「バッドシティ」を有するなら、強力な至近RC範囲攻撃である「ブラッドスパイク」を有するため、最大Lv 増加の恩恵を考えると一考の余地がある。
ピュアブリードの利点は強力なエフェクト群の最大レベルが伸びる事と、強力なピュア制限エフェクトである「滅びの遺伝子」が取得出来ることである。使い切りではあるが、高係数のダメージ源であるため非常に優秀。サプリメント「アンチェインアームズ」のGF再録エフェクトも使用できるなら、「血染めの庭園」や「血返しの魔槍」の併用も可能。カウンターダメージだけで三桁ダメージを狙える。
また、白兵屋を選択する場合、サプリメント「エフェクトアーカイブ」を使用している環境では「赫き剣」を使用する事が推奨されるため、移動手段として一般エフェクトの「クイックダッシュ」や「スーパーランナー」の取得も視野に入る。サプリメント「アンチェインアームズ」が採用可能ならば「赫き腕」もあるが、80%制限なのが少々ネックである。HP消費を何とか出来るなら、「赫き重刃」でさらに火力を盛ることもできる。
従者についてはどうしても使いたい人以外は忘れていい。
……だが、どうしても使いたい場合は前述のようにDロイスを活用するので、まずはDロイスの収録されている「上級ルールブック」およびサプリメント「リンケージマインド」を準備し、「従者の行進」を取得するのがお勧めである。
従者を使い捨てるカバーリング戦術が防御面で有効である事は前述の通りだが、攻撃に利用する場合もやっぱり使い捨てが有用であり、自爆エフェクト「闇夜の呪い」を利用した運用が強力である。「闇夜の呪い」は高係数の範囲攻撃エフェクトであるためピュアブリードによる最大Lv増加の恩恵が大きく、何より従者を自爆させるまで守り切ればいいだけなので、本体でカバーリングすれば攻撃までの当座を凌ぎ易いため、比較的運用が楽なのである。少なくとも、従者を完全に守り切って運用するよりは現実的かつ容易な運用法である。サプリメント「インフィニティコード」やサプリメント「エフェクトアーカイブ」があるならば、「実体なき一撃」を組み合わせれば装甲無視も付与できるため、より自爆が捗る。
なんだったら本体で従者を守る為に一般エフェクトの「カバーディフェンス」をとったってかまわない。カバーリングエフェクトはなんだかんだで便利なので、経験点に余裕があれば持っていて損はない。最悪、従者に使わせれば味方を守る事も出来る。
▼クロスブリード
ここからがブラム=ストーカーの真骨頂。
HP消費にさえ目を瞑れば、高係数のエフェクトが揃っているブラム=ストーカーは他のシンドロームの命中補助やダメージ補助が非常に得意である。
また「渇きの主」の存在により、白兵攻撃を行い、なおかつHPの確保が必要なビルドと相性が良い。
キュマイラやエグザイルなどの自前でそこそこの防御力とHPを持つシンドロームと合わせれば驚くほどタフになる。
サプリメント「レネゲイドウォー」を有しているのであれば、「紅のベーゼ」により味方の「リザレクト」一回で最大HPを50点以上盛ってボス並のHPになる事も可能であるため、ガード屋としても十二分に活躍が出来る。
ここからは従者も一応選択肢に入り、ノイマン、オルクス、ソラリスなどと合わせて本体は判定せずに味方全体の支援のみを行い、攻撃は従者に任せるというスタイルの選択も現実的になる。特にノイマンの支援エフェクトは使用者本人を対象に出来ないものが多いため、従者と噛み合う。
ただし、従者は脆いので、前述もしたが、基本的には主人が従者をカバーリングする事になるという、何とも倒錯的で風刺的なプレイが展開される事となる。
また、「愚者の軍団」を利用する方法もある。任意で行動を遅らせ、ボスの攻撃を貰ってからラウンドの最後に適当に数体展開すれば、1度か2度程度ならば本体の支援込みでの従者による1ラウンド複数回攻撃も一応は実現できるのである。召喚後は敵に攻撃されるたびに単体攻撃は大人しく殺されるか本体にカバーリングさせ、範囲攻撃は互いに互いをカバーリングさせて被害を半減させるなどの手段をとれば強引に維持も可能である。ただ、経験点は湯水の如く使わざるを得ないため、やはり基本的にはお勧めしない。侵蝕率の増加も激しい。
▼トライブリード
「渇きの主」が存在するため、相変わらず装甲無視とHP回復の両方が欲しいワガママな白兵屋に需要がある。
また、サプリメント「ヒューマンリレーション」から追加されたリミットエフェクトである「朱色の大斧」や、サプリメント「バッドシティ」で追加された「追撃の魔弾」などのリミットエフェクト目当てでの選択も視野に入る。
従者使いも欲しいエフェクトが各方面に散りがちなのでトライを選択するのは悪くない。特に支援エフェクトとカバーリングエフェクトの両方を無理なく拾ってこれるのがありがたい。ただし、ブラム=ストーカーは80%制限や100%制限に優秀なエフェクトが揃っているため、それらの使用が自由にならない点は痛し痒しである。
▼専用Dロイス
専用Dロイスは上述した従者雇用を楽にするものと、フレーバー色の強いものが揃っている。
▼専用ユニークアイテム
専用ユニークアイテムは「上級ルールブック」収録のものはどちらも割高であるため、気軽に取得できるものではないが、「貴人の礼装」は達成値上昇効果の係数が良く、装甲もそれなりにあるため、一考の余地がある。
サプリメント「インフィニティコード」収録のものは「造血剤」が中々便利である。HPを失うエフェクトを持っているなら、お守りに一つ二つくらいは握ってもいいだろう。
サプリメント「ネームレスシティ」収録のものは「サングイン」が面白い性能をしており、専用ビルドを構築するなら、採用を検討しても良いだろう。
大幅にアイテムデータが追加・修正されたサプリメント「アイテムアーカイブ」では、セットアップが空いているビルドなら「ブラッドタンク」が便利である。使い捨てではあるが、エフェクト消費HPを低下させるということは、「リザレクト」後に行動不全になる可能性も低下させるということであるため、何かとHPを消費しやすいブラム=ストーカーにはありがたいアイテムである。保険が欲しい場合は一つ握ってみるのも悪くないだろう。
▼独断と偏見の便利エフェクト早見表
「赫き剣」
装備作成エフェクト。
HP消費はともかく元の攻撃力からして大分高性能。
「渇きの主」
装甲無視。
条件はあるが装甲無視しながらHPまで回復できる高性能エフェクト。
「鮮血の一撃」「滅びの一矢」
ダイス増加エフェクト。
HP消費は痛いが+1がついているのがうれしい。
「血の宴」
攻撃範囲化。
シンドローム技能なので相方を選ばない。白兵射撃RCなんでもござれ。
「ブラッドウェブ」
継続ダメージデバフ。
行動順を調整する必要があるがドッジでダメージ誘発は強い。
「血霧の盾」
ドッジC値低下。
下限6を得る為だけに取る。回避ビルドなら有用。
「封印の呪」
次回行動C値増加。
行動順を調整すれば回避補助にも命中補助にも使える。
「蝕む赤」
RC邪毒付与。
邪毒は係数3のダメージ源であるためRC型なら一考の余地がある。
「ブラッドボム」
自爆攻撃。
ダメージ発生後の追加HPロスとして扱われる。非常に強力な諸刃の刃。
「ブラッドバーン」 80%制限
係数4の攻撃力増加エフェクト。
HP消費が5点と重いが見合うだけの効果はある。
「始祖の血統」 100%制限
ダイス増加エフェクト。
HP消費がやはり痛いが係数が×2であるため非常に高性能。
「朱色の大斧」 リミットエフェクト(ヒューマンリレーション)
手間は掛かるが係数4の白兵攻撃力増加。
取得条件は重いがこれ自体は高性能。
「紅のベーゼ」 (レネゲイドウォー)
これまた条件が重い上に仲間に負担を強いるが破格のHPバフ。
ボス並のHPになる。
「赫き猟銃」 (バッドシティ)
待望の射撃武器作成エフェクト。
係数がLv×2の上、なんとこれで「破壊の血」の条件を満たせる。
「ブラッドスパイク」 (バッドシティ)
係数3の至近範囲選択RC攻撃。
HP消費デメリット込みで考えても普通に強い。
「追撃の魔弾」 リミットエフェクト(バッドシティ)
メジャー2回行動。
1シナリオ1回かつC値上昇のデメリットがあるが、それでも強力。
「赫き剣」(アイテムアーカイブ)
HP消費がなくなり、武器使用時のHPロスに効果が変更された。
最大Lvも下がったことで「破壊の血」へのアクセスも早くなっている。
「赫き猟銃」 (アイテムアーカイブ)
こちらも最大Lvが下がっており、「破壊の血」にアクセスしやすくなった。
このエフェクトに限った話ではないが、攻撃係数にもバフが入っている。
「赫き重刃」 (アンチェインアームズ)
消費HP依存の係数4武器攻撃力増加。
「サングイン」を使えとばかりの性能である。
「赫き腕」 80%制限(アンチェインアームズ)
射程視界変更の上に係数3の攻撃力増加。
雑に強いが、だいたいの卓では工夫しなければ実質クライマックス専用である。
「血返しの魔槍」 100%制限(アンチェインアームズ)
ダメージ反射。「鏡の盾」とほぼ同じである。
ボス火力が高ければ高いほど効果的だが、Lv1でも十分仕事をする。
「血染めの庭園」 ピュア制限(アンチェインアームズ)
ブラム=ストーカーのエフェクトLv+2。ラウンド持続でしっかり上限突破。
ブラム=ストーカーのエフェクトは高係数が多い為、高い効果が見込める。
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