壊レタ願イ
少女は、常に孤独だった。
もって生まれた、異常な力。
回りの人達は、畏れ、嫌悪し、離れていく。いつしか、少女は家族からも、突き放されていった。
自分が何をしたと言うのだろう。
少女は夜な夜な泣き叫ぶが、返事はない。
無意味な問いに返ってくるのは、愛しい人の、殺意と恐怖と虫酸の混じった怒鳴り声だけだった。
少女は静かに泣き続ける。
誰にも迷惑を掛けないように、怖がられないように、嫌われないように。
何度も自分を呪った。生まれもった力を憎んだ。しかし、家族や友人を恨むことは、決してなかった。
そうして、少女は成長した。
ゲム戦という居場所を見つけた。
怖がらない友達を、逃げない仲間を、大切な絆を、少女は見つけた。
いつしか少女は、忘れていった。
圧し殺し続け、幼い身体に孕んできた、絶望を。
いつしか少女は、思い出した。
思い出してなお、呑まれないよう、自覚しないよう、また飲み込み、孕み続けた。
絶望に負けないよう、少女は願う。
愛する人を守るんだ。と。
そんな少女のささやかな我が儘を、孕んだ絶望が蝕んでいく。
守るんだ・・・、守らなきゃ・・・、守りたい。
少女は願い続けた。忘れないように、言い聞かせるように。
守りたい・・・。
守りたい・・・。
守りたい、守りたい、守りたいコ守りロたいシタ守りたい守りたいマモりたいコロシタイマモリタイマモリタイマモリタイコロシタイマモリタイコロシタイマモリタイコロシマモリタコロシタイマモリタイマモリタイマコロモリシタイマモリタイマモリコロシタタイマコロモリタイマモリタイマモリコロシタイ・・・。
その日、少女の願いが、壊れた。
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