おまけ
そんなこんなで葬儀は滞りなく終えることができた。祖父は無事真っ白の骨になり……祖母はなんだか静かになってしまったのだった。
俺は帰りも
「缶コーヒーくらいおごりなさいよ」
と
「あれでおじいちゃんも、少しは浮かばれるかしらね」
「うーん、どうだろうな。あんまり信心深くない俺としてはやっぱり、死んでから言われてもなぁ、とは思うが」
「む……それは信条の問題ね」
「で? 遥は今回の件で何か教訓を得たりはしなかったのか?」
「え、わ、私?」
「俺は痛感したよ。伝えたいことがるなら……とりわけそれが好意ならな、相手が生きてるうちに言っちまったほうがいい。そうすりゃ信条に関わらず伝わるんだから。つまりだな、お前も少なくとも俺が生きているうちに、」
「ばっ……」
と遥が天井に頭をぶつけながらつかみ掛かってきたのを躱し、
「勘違い、す、る、なぁっ!」
の四連撃を辛うじて受け止めた俺は、その後もしばらくからかい続けたのだった。それはもちろん真っ赤になる遥が可愛かったからだが……そのことはまだもう少し伝えないでおくことにした。
ツンデレも大概にしろ! ふぐりたつお @fugtat
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