サボりりあんとDAYS

折道

第1話 ダラダラと過ごすんだよ、俺は!

月曜日の朝。それは誰もが嫌がるであろう1週間のスタート地点じゃないかと思う。中学生の俺だって嫌だ。このままずっとオフトゥンに抱かれていたい…ならば。


「今日は自主休講に決定だな~…。」


ちなみに時刻は9時20分。授業は既に始まっていて、当然今から登校しても間に合わない。


「暇だな~…。ラノベは読み飽きたしどうすっか…。」


俺のとあるオタクの友人が『俺も異世界に行きてぇっ!!ある日異世界に飛ばされて、可愛いこちゃん達に囲まれて、悪党を倒してぇっ!!これを読めばお前もそう思うはずだ!』と、何冊かラノベを貸してくれたのだ。


が、俺の答えはノーだった。俺は異世界どころか家の外にすら行きたくないし、友人1人しかいない上に異性に興味はない。あと異世界の悪党とは戦いたいくせに、現実世界では戦争はやめろとか言ってる矛盾をなんとかしろ。そもそもな、異世界なんていうのはおとぎ話みたいなもので―――


『目を覚ましてください、勇者様!あなたの力が必要なんです!っ』


とか考えてたら天の声が。透き通った綺麗な声からして女の子であることは間違いないが…これがラノベのお約束、突然の転生だろうか。つまり俺が英雄に…いや、寝惚けてんのか。


『お願いします勇者様っ!今すぐこちらの世界へ―――!』


「何か腹痛ぇしトイレ行こーっと。」


が、さっきの通り俺は異世界に興味はない。俺はドアノブに手をかけ―――


『勇者様っ!このゲートをくぐってくださいっ!』


目の前には廊下ではなく真っ黒な空間が。人の話を聞けよ。ならしょうがない、窓から脱出を――


『勇者様?くぐればどこでも大丈夫ですから!』


窓を開けたら以下略。なかなか強引な手を使ってきやがる…!少しムカついてきた。


「まずは自分の名前を名乗ったらどうなんだよ。勝手に話を進めようとしてんじゃねぇぞこの―――」


とそのとき、プツンっと何かが切れる音が聞こえた。真っ黒な空間は消えている。


「よし、邪魔者は消えたしトイレに」


「どうして来てくれないんですかあああああああああっ!!?」


「うるせえええええええええ!!?」


突然の大声で目が完全に覚めた。そしていつの間にか、俺の目の前には1人の女の子が立っていた。

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