みんなと大晦日


今日は大晦日おおみそか


1年の最後の日ですが、

みなさんはどうお過ごしですか?


今日、我が家では



風呂掃除ふろそうじは終わったか?!」


「料理用の酒飲んだの誰だよ!!」


おも!黒豆食うな!!」


重箱じゅうばこ何処どこだった?!」


おも栗金団くりきんとん食うな・・あ!逃げたぞ!!」



・・ごらんの通り、

ハイスピードで怒号どごうと物が飛びっております。

(近づくと危険なので、

私は黒之介くろのすけ避難ひなんを言い渡されている。)


「おじちゃんたち、いそがしいね。」


「そうだね。」


美味おいしそうなにおいに

時々そわそわする彼をなだめつつ、

私達はリビングのすみで会話をしていた。


「あしたは、おしょうがつ?」


「そう。」


たのしみだね~。


ね~。


「おしょうがつは、

おとしがひとつおおきくなるんだよ。」


「お、黒之介くろのすけおぼえてたんだね。」


すごいな~。


ほめられた~!


嬉しそうに尻尾しっぽを振る彼をでつつ、

準備がととのい始めたテーブルの方を見る。


そこには、

キレイな重箱じゅうばこめられたおせちと、

蕎麦そばが並べ始められていた。


「何とか終わったな・・。」


くもこいつつかまえててくれたから、

黒豆と栗金団くりきんとんも何とか無事だったしな。」


「でも、すぐ無くなるだろうね~。」


「食べたらあっという間だからなぁ・・。」


全員が、

それぞれ自分の分の蕎麦そばの前に座り、

一息つきながらはしを持つ。


「何をしている。」


蕎麦そばを食べるから、こっちに来なさい。」


黒之介くろのすけも、一緒に食べような。」


何となくその光景をながめていると、

気付いたこおりさんといかずちさんが私を呼び、

特製ワンコ用の蕎麦そばを見せながら、

せきさんが黒之介くろのすけを呼んだ。


「つるつるさんだー!」


麺類めんるいの好きな黒之介くろのすけは、

そう言うと嬉しそうにテーブルまで走って行く。


「はーい!」


私も返事を返すと、

蕎麦そばの置かれたテーブルへと向かった。


「それでは・・いただきます!」


いただきまーす!!


全員で手を合わせて言うと、

やわらかに出汁だしかお蕎麦そばをすすり始める。



・・こうしてあたたかいヒト達の中で、

あたたかい蕎麦そばを食べられる大晦日おおみそか


私は、

とても幸せだと感じるのです。


だから


『来年の大晦日おおみそかも、

このメンバーで蕎麦そばを食べられますように。』


そう、

毎年ひそかに願っているのは、

私だけの秘密。



みなさんも、

あたたかい人達と一緒に蕎麦そばを食べられる、

そんな大晦日おおみそかでありますように。


良いおとしを!

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