仲間達と動物番組


仲間達は普段、

見る番組や映画の好みはバラバラだ。


趣味の合う何人かが集まりテレビをる事はあるが、

興味きょうみの無い人は近寄ちかよらず、

大抵たいていは好きな場所でごしている。


そんな彼だが、

唯一共通してる番組があった。


それは、

動物がメインの番組である。


「お、始まったぞ!」


時間になり、

CMからお目当ての動物番組に切りわったのを見て、

つるぎさんが声を上げた。


「今日って、

何の特集だったっけ?」


「子犬と子猫、

それに他の動物の赤ん坊だ。」


そらさんの疑問に、

新聞を読みながらいかずちさんが答える。


「・・。」


「落ち着け。」


そわそわと落ち着かないおもさんを、

画面をたままこおりさんがなだめていた。


「子犬とか子猫に囲まれて昼寝したら、

ふかふかで気持ちよさそうだね~。」


「俺なら、

寝ずに遊んでしまいそうです。」


にこにこしながら言うくもさんに、

少し苦笑しながらせきさんが言う。



本編が始まり、

最初に映ったのはカバの赤ちゃんだった。


・・子犬ではなかったので、

おもさんが少しがっかりしている。


「おー、カバだ!」


「カバだな!」


「「ヒポってるなー!!」」


「何だ、その変な言葉は。」


つるぎさんとそらさんの謎の言葉に、

こおりさんがっ込んだ。


「え?カバって、

英語でhippopotamusっていうだろ?」


物凄ものすごく発音良いですね。


ちなみに、

わかりやすくカタカナにすると

「ヒポポタマス」です。


「そ!だから。」


「「ヒポってる。」」


「だからの意味がわからん。」


そう言っていかずちさんが溜息をついた。


・・えず、

2人のテンションが高い事は解ります。


「それじゃ、

ダチョウのひなは~?」


興味きょうみを持ったらしいくもさんが、

2人に質問した。


「「トリってる。」」


鳥類全てが当てはまるんですが。


「カブトムシの幼虫は~?」


「「カブってる。」」


クワガタ辺りとだろうか?


「ナメクジの赤ちゃんは~?」


「「ヌメってる。」」


確かに。


「ライオンの赤ちゃんは~?」


「「可愛かわいい。」」


あ、そこは普通なんですね。


そんな大喜利おおぎりみたいな会話をしていると、

今日のメインコーナーである

「世界のカワイイ子犬&子猫!」

が始まった。


「・・。」


あ。


無言のおもさんの全身から、

幸せオーラがあふれてきている。


こおりさんが舌打ちしながら少し離れるが、

何処どこかに行かない辺りが、

彼も動物好きな事の証明だろう。


おー!この猫キレイだなー!


この犬の走り方面白いぞ。


やっぱり子猫は、

じゃれてる時が可愛いよな!


日本犬の尻尾しっぽって、

元気に動くと可愛かわいいな。


子犬と子猫って、

ボールが転がってるみたいな

動き方するよなぁ。


あー。

コロコロした感じでな。


口々に感想を言いながら、

仲間達は楽しそうに番組をつつ、

はしゃいでいた。


私も勿論もちろん、動物好きなので。


当然その輪に加わり、

と一緒に最後まで番組を視聴しちょうした。




番組が終わった後


黒之介くろのすけ、ちょっとでていいか?」


「あ、俺も!」


「俺も俺も!」


起きた黒之介くろのすけの周りに人だかりができて、

でる順番待ちが発生する。


頭の上に疑問符ぎもんふを大量に浮かべながらも、

彼はうれしそうに尻尾しっぽを振りながら、

全員にでてもらっていた。


「たくさんなでこしてもらった!」


とご機嫌きげんで言う彼が、

やっぱり世界一可愛かわいいです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る