私とクイズ
最近は、
この時期は、
カードゲームで対戦するヒト達や、
テレビを
携帯ゲーム機を持ち寄り
通信して遊ぶヒトもいれば、
本を読んでいる人もいる。
その中で私は、
窓から景色を見ている事が多かった。
今日もぼんやりしていると
「おーい!」
と、
「どうしました?」
「クイズしようぜ!」
クイズの本貸してもらったんだよ。
「じゃあ、第1問!」
まだやるとは言ってないんですが。
「『パンはパンでも、
食べられないパンはなーんだ?』」
「フライパン。」
当たり―!
基本ですからね。
「そんじゃ、
『太郎君は
病院に向かっている間に
側にいた牛が『モウ』と鳴きました。
太郎君は何の病気でしょう?』」
「
おお!また当てた!
これも基本ですから。
その後も、
3回ほど
どれもが小学校の低学年レベルだった。
簡単すぎて私が
彼が笑いながら言う。
「ここまでは
次の問題は難しいぞ。
・・
「いいですよ。」
この時の私は
(やっと、高学年の問題レベルかな?)
と考えていたのだが。
その予想は、
悪い意味で
「じゃ、問題!
『私は、熱く冷たく
また、
大きくも小さくもあり、
無くなる時もあれば、増えもし、
新しければ、古くもある。
良くもなれば、悪くもなり、
どちらでもない時もある。
私とは何か?』
これなーんだ!」
30秒以内な!
「えぇっ?!」
いきなり
私は思わず声を上げた。
「いきなり難しくなってるじゃないですか!」
「あと20秒だぞ!
このままだと
笑顔でカウントを続けられ、
・・しかし、
冷静になれない今の状態では、
頭の中が
(水、じゃないし、虹、でもない。
時計は違うし、風呂、はさっきのだ!)
全然分からない!!
「あと10秒!
9、8、7、6.・・。」
訳の
・・なぜか今、
リュウグウノツカイが頭の中で
立ち泳ぎしているのもそのせいだろう。
「3、2、1。」
うあぁあ!
「
そう言って、
笑顔の
「夢。」
のんびりした声が部屋に
「え?」
思わず声のした方を見てみると、
「答えは夢だよ~。」
ふわふわした笑顔で
「答え言うなよ!
クイズにならねぇだろ!」
「そうだったんだ~?」
困ってるみたいだから、
答えちゃった~。
それでも
すっかり毒気を抜かれてしまった
大きな溜息をついて肩を落とした。
「もういいか。
・・正解は、『夢』で合ってるよ。」
「やったね~。」
「
もう1度、
溜息をついた
が、それはすぐに
「もう寝てらぁ・・。」
聞いた話によると、
彼は
その上、
無意識に色んな事を計算し、
記憶してしまうという
そのせいで脳が常に休息を求める為に、
眠気がとれないそうだ。
放っておくと何日でも寝続けてしまうので、
友人達に起こしてもらっているらしい。
勝負を邪魔され、
出掛けてしまった。
私はタオルケットを持って来ると、
そっとかける。
「・・ありがとうございました。」
小さな声で礼を呟き、静かにそこを離れた。
すると
どういたしまして。
ありがとう。
と背中に小さな返事と礼が返ってくる。
驚いて後ろを振り返っても、
彼は笑顔のままで眠っているだけだった。
「・・どういたしまして。」
私も小さい声で返事をし、
そのまま静かに彼から離れる。
しかしその後、
タオルケットの
夕飯になっても起きず
みんなで色々手を
苦労して起こす事態になってしまった。
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