厄介なモノ


「・・。」


あれはヤバい。


久々にあんな見た。

さっさと帰ろう。



「って、事がありまして。」


さっき見たを2人に報告する。


「お!どこだった?」


「あっちのコンビニの・・」


「行ってくる!」


つるぎさんは、楽しそうに

飛び出して行った。


ので、家には私と

いかずちさんが残されている。


「憑いてきた様子は無いな。

すぐにあいつが仕留めるから、

心配は無いだろう。」


「良かったです。

でも、久しぶりに見ましたよ。

あんなにニヤついてる奴。」



姿が普通の人っぽくても

油断をしてはいけない。


人で無いモノに変化している

恐れがあるからだ。


大体は、

表情で見分けられる。


人を見て、げらげら笑う奴。


これは危険レベル1。


正気を失っているから、

こちらからの呼びかけには

一切応じない。


と、言うか、話がすでに

通じないのだ。


話し合いなど考えずに、

逃げた方がいい。


人を見て、ニヤニヤ笑う奴。


これは危険レベル2。


これはすでに変化した後で、

人を見てニヤつくのは、


『どうやって害をなそうか』


と考えているからだ。


これは憑いて来たら厄介で、

人を不幸にするのが楽しいから、

あらゆるを呼び寄せる。


もちろん、

話し合いはするだけ無駄だ。


力ずくで処分するしかない。



「で、合ってましたよね?」


こういう事は、

いかずちさんから教わった。


彼はこういう事の知識が豊富で、

対処法も色々知っている。


仲間であり、

何も知らなかった私に

奴らとの戦い方を教えてくれた

師匠でもある。


「その通りだ。

ちゃんと覚えたようだな。」


「当然です。」


間違えたら、原稿用紙に

辞典の漢字書き取りの刑ですから。


おかげで漢字には詳しくなった。


「では、一番危険な

どんな表情と特徴をしている?」


「えっと。」



絶えず優しく、

微笑ほほえんでる奴です。


外見は、人が油断する

女性や無邪気な子供をよそおい、

一見穏やかに見える。


でも、微笑ほほえんでいるのは

目の色を隠すためで、

その目は白目の部分が黒に、

黒目の部分が真っ赤である。


後、頭も良く、

自分の手駒てごまを使って

それを隠れみのにしている事もある。



「でしたね。」


「そうだ。

そういうのは、

お前の手にはえん。

だから、俺達を頼る事だ。

いいな。」


「はい。」


でも、退治したの一部を

持ってこられても困るんですが。


「首を持ってくるなと

言っただろうが!!」


いかずちさんの手によって、

つるぎさんは首と共に飛ばされた。



めでたしめでたし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る