剣さんと特撮番組


私は特撮ヒーローの番組が好きだ。


他の仲間もみんな好きだけど、

つるぎさんはその中でも

特に気に入っている。


今日も一緒に観た後、

感想を話し合っていた。


「いや~、やっぱり最高だな!」


「そうですよね。

最近はCGも凄いしカッコいいけど、

やっぱりスーツアクターの演技がいいですね。」


アクションも、武道の動きを取り入れているし。


「だよなぁ!

観てるだけで何かぶっ飛ばしたくなる!」


余所よそでお願いします。


「観てたら体動かしたくなっちまった。」


「あの大通り辺りにいましたよ。」


「そんな弱っちいのじゃなくてだな・・。」


そんな事言われてもなぁ。


つるぎさんが楽しくなる位強いのを呼ぶと、

私の命と引き換えになるし。


「間に合わなかったか。」


「あ、いかずちさん。」


今日はいかずちさんも

観たいって言ってたのに。


このヒトが遅れるなんて珍しいなぁ。


「仕事が入ってしまってな。

一応、急いだのだが・・。」


がっかりしてる。


「大丈夫です。

ちゃんと録画しときましたんで。」


後で一緒に観ましょう。


「すまない。・・ところで、あいつは」


あ。


「キイイィィィック!!」


つるぎ選手が綺麗な飛びりを、

いかずち選手に向けて放ったぁ!


「・・!」


しかし、いかずち選手紙一重でかわし、

クロスカウンターで掌底しょうてい

つるぎ選手のあごに入れたぁ!


そのまま床に倒れたつるぎ選手、動かない!

レフェリーがカウントを取ります!


「1!2!3!!」


試合終ー了ー!


いかずち選手の勝利です!

つるぎ選手はまだ動きません!


「綺麗に入りましたね。」


「大声で叫べば、誰でも気が付くだろう。」


ですよね。


あ、溜息ついてる。


「で、どうして此奴こいつ

奇襲きしゅうなど仕掛けてきたんだ?」


「特撮観てたら、

体動かしたくなったって言ってました。

その時にいかずちさんが来たからですね。」


「まったく・・。」


「でも、流石さすがですね。

とっさにかわしてカウンター入れるなんて。」


凄い反射神経だ。


「あれ位なら、誰でもできるだろう。」


「誰でも、は無いと思います。」


車をける為に自転車を止めたら、

こけて全治一週間の捻挫ねんざをした

私には無理だと思います。


「体が勝手に動くからな。

現に、つるぎだと気付いたのは

掌底しょうていが入った後だ。」


いかずちさんの後ろに立つのは嫌です。」



このヒトも、武闘派だったの忘れてた。

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