剣さんはおはぎが好き


「お礼です。どうぞ。」


用事を済ませた後、

ちゃんとおはぎを買ってきた。


これを買った店は、私の気に入っている店だ。


あんが美味しくて、大きめに作られているのが

最高だと思う。


「お、サンキューな。」


もちろん、つるぎさんも気に入っている。


「いやー、やっぱここのおはぎ最高だな!

毎日食いたいぐらいだ!」


つるぎさん、おはぎ好きだからね。」


「おう!スィーツ男子だからな。」


自分で言うな。


ガタイのいい男の口から、

スィーツとか聞くのはある種の拷問ごうもんだと思う。


「ガタイが良くても男前だから許されんだよ。」


自分で言うな。


事実な分イラッとする。


「うん、美味い!」


嬉しそうに食べ続けるつるぎさんに、

思った事を聞いてみる事にした。


「奥さんの料理とおはぎ、どっちを毎日食べたい?」


あ、固まった。


「・・・・・・。」


悩んでる、すごく悩んでる。


さぁ、どう答えるのか。


「うちの奥さんの作るおはぎ!」


第3の選択肢を出してきたよ。


「言うと思った。」


まぁ、予想はしてた。


夫婦仲の良い事は素晴らしい事だと思う。


少し、羨ましい気がする。


うらやましいだろ?」


自分で言うな。



・・おはぎに今度、ワサビ仕込んでやる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る