第十四章
ある日、兄は、「あのね。僕はママとパパの子供じゃなかったんだって、シスターが、説明してくれた。」
「シスターは、優しかったよ。恥ずかしいけど、抱きしめてくれて、そして、話してくれたんだ。僕は、3歳で、あの街に来たんだって。そして、パパが、奥さんが、いなくなった寂しさから、僕を引き取ったんだって。」
その後に、弟は、「僕は、妹たちに、やきもちやいていたんだ。ママが、二人ばかり可愛がるから。」
「でも、妹は、気づいていたんだね。ママが、パパしかいらないこと。」
そう言うと、彼は黙ってしまった。
少年も、黙ってしまった。
そして、少年は、「僕は、不思議な話を、聴いたんだ。君のお母さんは、宇宙の中を旅しているよって」
「宇宙の中を?ウチュウ、て、なんだっけ?」と、言うと、少年は笑ってしまった。
「そうか、そうだよね。学校でも、そんな話をしないよね。」
「うん。教科書にものってないよ」と、恥ずかしそうに、言った。
「授業は、算数と国語と、図工と、体育だけだよ。」
「あとは、家庭科がある。」.
「僕は、家庭科が、好きなんだ。ケーキとかを、作るんだよ」と、嬉しそうに、話していた。
「楽しそうだね。でも、ここにいたら、学校に行けないよ、平気なの?」と、聞くと、「僕は、お兄ちゃんといたいんだ。ずっと探して た、お兄ちゃんのそばにいたいんだ。」と、応えた。
少年は、愛おしくて、彼を抱きしめた。
「僕が、もっと大きかったら、助けられたかもしれなかったんだ。本当にごめんな。ごめんな」と、謝っていると、弟たちは、「何で泣いているの?木の実を持ってきたよ!あの森でも、木の実が、あったよ。」と、楽しげに、妹は言った。
「いっばいとってきたね。今日は、木の実を食べよう」と、言うと、子供たちは、嬉しそうに、木の実をカゴの中に移して、みんなで囲んで食べた。
「海にまた行きたいな。あの潮風にあたりたい」そう弟が、言うと、「そうだね、懐かしいから、行こうよ」と、みんなで、いい、海の方へ歩き出した。
海に着くと、すでに暗かった。
レストランに入ると、いつものウェイターが、「ごめんな、暗くて。
親父が夕日も隠してしまったんだ。」と、すまなそうに話すと、少年たちは、びっくりして、「もう夕日も見れないの?」と、言った。
「ああ、俺、もうすぐこの世界から、出ないと行けないんだ。
規則をやぶったから」と、言うと、「今日は、何が食べたい?親父が腕をふるって、作ってくれるよ」と、言うと、少年たちは、「お腹はあまり空いていないんだ。でも、作ってくれるなら、食べたいな」と、少年が、言うと、他の三人も、「うん。食べたい」と、言うと、「よし!待ってな。いいもんたべさせてあげるよ、」と、言うと厨房へ戻って行った。
四人は、何が出てくるかなー?と、ウキウキしだした。
ただ、少年は、思い当たることがあり、三人ほど、うかれられなかった。
ウェイターが、料理を持ってくると、四人は、嬉しくて、「美味しそう!」と、喜んで、「いただきます!」と、言うとパクパク食べ出した。でも、少年は、素直には、食べれなかった。
すると、ウェイターは、「どうしたんだい?あったかいうちに、食べた方が、美味しいぞ」と、声をかけると、「お兄さん、、、」と、口を開けると、ウェイターは、「これでいいんだよ。気にするなよ。俺、未練残っちゃうじゃん」と、言うと、「さあ、まだまだ、料理はあるぞ!」と、言うと戻って行った。
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