第十二章

街には、いろんな店があった。学校も幼稚園も、大学もあった。


青い星と同じようなものだった。

ただ、違うのは、戦争がなかった。


祭りも、正月もあった。四つの季節もあった。

人同士、喧嘩をするのは、どの街でも、毎日のようにあった。


夫婦仲が悪い夫婦もいた。

学校に、行きたくない子供もいた。


電車もあった。駅から駅へと、走っていた。


ただ、一つ足りないのは、「死」が、なかった。しかし、「生」は、あった。


毎日、どこかの国で、赤ちゃんが産まれていた。この世界は、繋がっていて、青い星を、とりかこむように、星々は、宇宙の中に、存在していた。


星の中には、長いクネクネしたウォータースライダーみたいなのを、持っているところもあり、人はその中をくるくる回りながら、青い星にたどり着き、大気に守られ、母親のお腹に入る頃、新たな御霊となり、母親のお腹の中で、スクスク育ち、産まれて行った。


そして、生まれる事を望んでいた赤ちゃんは、たいがいは、無事に産まれるが、中には、健康で、産まれることができなかった子供もいた。


健康で産まれなかった子供を、悲しむ親は、たくさんいた。


「これから、どうしよう。」と、悩む親は、絶えなかった。


赤ちゃんの方から、考えると、産まれることができ 、喜んだろう。


その気持ちを、無駄にする親もいた。

もちろん、愛する親もいた。


無邪気に、笑いながら、遊ぶ子供を見て、泣く親もいるだろう。


自分を、責める親もいるだろう。


子供を責める親もいるかもしれない。


産まれた事を、悔やむ子もいるだろう。


でも、それでも、それが、人生だ。

人は、生きるために、産まれてくる。小さな愛を抱え、母親の子宮から、出てくる。

暗い宇宙を旅して、やっと帰ってくる。光を浴びて、赤ちゃんは、泣いて怯える。


我が子を、愛おしく思いながら、母親は、面倒をみて、毎日育児に励む


しかし、同時に、育児を拒否して、育児放棄をする親もいる。


自分が築いた家族を捨て、愛人の元へと、嫁いでいく母もいる。もちろん、父もいる。


それでも、人は、もろく、強く生きてゆく。


新しい運命にかけて、先へ進んでゆく。

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