Chapter3
Side御園
××年××月××日
婚約相手発表と結婚式まであと4か月
多分俺はその時が来ても癒凪を諦めきれないと思う
それほどまでに、俺はアイツを愛してるんだ…
まるで毒があるような愛
その愛の毒に囚われて俺は抜け出せなくなる
会いたい…
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××年××月××日
婚約相手発表と結婚式まであと3か月
今日は癒凪と会えた。また、相変わらずのあの煌びやかで弾ける笑顔が見れてよかった。癒凪を俺の物にすることなんてこの先一生無い…。そんなの分かってる。
でも徐々に思いは募っていくから…。また苦しくなる…。
俺と一緒にいてほしい。俺に触れて、俺の物になってほしい。
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××年××月××日
婚約相手発表と結婚式まであと2か月
一国と迫るその事実は崩れそうな俺の心をさらに壊していく。
何とか今日は癒凪と会えた。
準備や会食などで忙しいみたいだ…。
会いたいとずっと願っていたはずなのに、会えばまた壊れそうになる…。
なんでだよ…。まだ諦めのつかない俺自身が一番嫌になる…。
癒凪の去った後の俺の部屋…、癒凪の香りが微かに残っている。
それでまた癒凪を想ってしまうんだ…。
俺じゃダメ…?俺を愛してよ…。
――――――――――――――――――――
―もう、婚約相手発表と結婚式まで一週間…。
次の週は最後の仕上げなどで忙しくて少しも会えないらしい。
でも俺はどこかで信じてた、結婚式後も会えると
そんな俺の期待とは裏腹に癒凪が告げた言葉は残酷だった。
『私はもう結婚したら家を出られなくなるの…。だからもうこれで最後…、もう会えないの…、ごめんね…』
その言葉を俺は最後までは聞かなった、いや、聞きたくなかった。
だから咄嗟に俺はその唇をキスで塞いでいた。
嗚呼、俺はバカだそんなことわかってる。だからバカなりに考えたんだ。
どうしたら癒凪を俺の物にできるかって…。
もう抜け出すことはできないこの愛なのならいっそ運命さえも変えてしまおう。
俺は最後に癒凪に聞いた。
「癒凪、俺を信じて、どんな時も一緒に来てくれるか?」
…ありがとう…
俺は癒凪の頭を撫でた。これで君も『共犯者』。
俺は最後に癒凪の瞼にキスを落とした。
もうこれで準備はできた。
もう、俺は止まれない。
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