新人1-4
オカマ「という訳で、本日付で叛闘高校に入学しましたぁ~矢田 槙一でぇす。
どうぞよろしく~♪」
オカマは生徒の前で挨拶をした。
ンー!ンー!
「(また変なのが来たよ……)」
自分達の事を完全に棚上げし、心の中で全員呟いた
ンッ!ンッ
「(しかもオカマだよ…)」
名前と声と顔は完全に男なのに、
着ているのが黒のブレザーに黒のスカート、黒タイツを履き、赤茶のウィッグしている
完全に女装なのだ
ンーー!
「(その格好で此所まで来たのか、こいつ…)]
ンンンー!
そして気がかりなのはオカマの足元に副隊長が簀巻きにされて転がっていること。口にはタオルをかませてあり制服の所々が破れてたり焦げているのだ。
当の本人は呻きながらもがいているし
オカマもよく見ると制服に所々泥が付いてる。
「(何があったんだ?……)」
そう思わずにはいられない一同であった。
ンンッ!(助けろ!!)
「さて、隊長に挨拶をしたいんだけどベルちゃんは今どこに?」
ンンッグ!(助けろって!)
とりあえず、副隊長を引きずり高校に到着。言われた教室に入り挨拶をかましてみたが、肝心のベルがいないのだ。
んグッン…(助けてよ…)
「隊長?どっかいったよ。たぶん御菓子買いにいった」
ン!ーングーー!
(お願いだから助けてください!)
「そう…あの子は相変わらずねぇ。せっかくケーキ買ってきたのにぃ 」
ン~ (もぅやだ…)
???「僕のケーキはどこだぁぁぁぁぁぁ!!」
ン!(殺気! ??……なハァっ!!)
大声をあげてドアを蹴破り何かが飛んできた。
そして手に持っていたケーキを箱ごとかっさらっていった。
(窓の割れる音)
オカマは気にした風なく
「おひさしぶりベルちゃん♪ 全部食べちゃだめよ~」
ンンンー!(またかぁぁぁ!!)
「ケーキ!ケーキ!」
「おぉ!フルーツタルト!!僕これ~」
ゴシャッ!
「む!美味しそうな焼きプリンもあるではないかぁ!これもいただいたぁ!」
(「 クソガァァァ!!」)
「あ、それは残しておいてね♪」
(「ブッ殺してやるぅぅ!」)
何か窓から射出されていったのだが、そんなことはお構い無しに二人は食べる準備を進めている。
「では!さっそく頂きます」
「どうぞ~♪今お茶いれるわね♪」
穏やか午後のひと時、今日も叛闘高校は平和であ...
突如、爆音と共に教室の壁が吹き飛んだ
...るわけなかった
「………テメェら…」
煙の先に見える眼光、溢れでる殺気。ぼろぼろになった制服、歩み寄る巨体。
先程射出された副隊長が戻ってきた。
(やべぇ!!ガチギレしてる!!)
とうとう堪忍袋の緒が切れてしまったようだ。
「総員退避ぃぃ!!」
「間に合わない!対爆防御」
「ママぁ~!!」
「泣くんじゃないよ!男の子だろ?」
教室内は恐怖と混乱に包まれた
「ん~~!美味~!」
一ヶ所を除いては
「そぉ?お口にあって良かったわ~♪」
逃げ惑う連中を無視してケーキを食べ談笑してるベルとオカマ
「ん~!ん?あれ!いたの、くま?」
「……テンメェ……いい加減に……」
拳を振り上げ、殴る体勢に入った。本気で殺すつもりで殴ろうとしている。
「しろゃ……
「はぁい♪これ、くまちゃんの分よ~」
目の前に差し出された物をみて、拳が止まった。
焼きプリンだった
「……どうゆうつもりだ?」
「どうって?そんなん決まってるじゃないの~」
「…………………………………」
「なんやかんや言ってちゃんとお迎えに来てくれたからね!そのお礼よ♪」
「それに、ベルちゃんからも頼まれたのよ。さっき奪って食べちゃったから代わりを買ってきて欲しいって」
「………………………」
その当事者は、二人の話を聞かず夢中で自分のケーキを食べている
「チッ!」
オカマの手からプリンを奪い取り
無言で食べ始めた。
「今回はこれで許してやる!だが次はないからな!!」
先程までの殺気は霧散していた
「はいはい、ちゃんと座って食べなさいよ。行儀悪い」
「うるせぇ!今回だけだからな!!」
おとなしく席に着いて食べ始めた。
いつのまにか静になっていた教室
逃げ惑ってた連中は一同に「え?」
(デレた…)
(デレるのかよ!)
(え?チョロ!)
(副隊長キモ!!)
と心の中でつぶいた
「なんか言ったか!テメェらぁぁ!]
気でいて口に出ていた
再び教室は混乱に包まれた。
「みんな元気ね~♪いつもこんな感じなのかしら?」
「まぁ騒がしいのはデフォだね~」
教室内を逃げ惑い叫ぶ声と怒声をあげ追いかけ回す音が聞こえる中
二人はお茶をすすりながらまったり話している
「あ!そうそうヤダさん、ヤダさん!」
「ん?」
顔をあげベルを見た
「ようこそ叛闘高校へ。歓迎するよ!ここなら君が楽しいと思うことが存分に出来ると思うよ?」
「!!」
急にベルの顔付きが変わっていた。オカマを勧誘しに現れた時に見た、片目は笑い、片目は笑ってない、口に薄く笑みを浮かべた顔に
オカマにとっては、初めて見た時からとても楽しそうと思った顔になっていた
「ウフフ♪」
そんなベルの顔を見ながら満面の笑みで
「うん♪これからよろしく隊長!とても楽しみだよ♪」
本来の喋り方に戻した矢田は無邪気な返答をしたのだった
完
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