5 冷ややかな夜

ねえ、どうして

灯りはこんなにも散っていて

一つ一つには温度があるはずなのに

世界はちっとも暖かくなんかない


ねえ、何故なの

まるで、ちっぽけな私たちを

見落としてしまったみたいに

無表情な夜だけが過ぎて行く


ねえ、やっぱり

河川敷から見える明かりは

私達のためにあるんじゃなくて

何も知らない人たちのためにあるのかな


ねえ、それなら

夜が明ける前にこの町を

こっそり二人抜け出して

世界の果てまで行ってしまおう


きっと僕らに朝焼けは

眩しすぎるはずだから

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