第4話~咲希の目に映る景色~
びっくりした。まさかハルくんに告白されるとは思わなかった。
「返事、いつでもいいから。…さ、そろそろ夏海たちの所に戻ろうぜ!」
だから、そう言って背中を向けられた時は慌てて制服を引っ張ってしまった。
「咲希?」
ハルくんに言われてハッとする。どうしよう。
「あ、あの、返事なら、今できる…。」
「え?」
そう言ってハルくんは不安そうな顔をする。当たり前だよね。こんなこと言われたら誰だって不安だよね。
でも、ちゃんと伝えないと!
「…私も、ハルくんの事好き!」
恥ずかしくて、思わず目をつぶってそう言ってからそっと開けると、ハルくんはびっくりした顔で私を見ていた。
「ほんとかよ…?」
「うん。」
ちゃんと頷くと。ハルくんは思いっ切り喜んだ。
「マジか!やった!勇気出してよかった!」
私も同じですごく嬉しかった。喜びをかみしめてるとハルくんに抱きしめられた。
「ハ、ハルくん!?」
「だってうれしいんだもん!マジか!ほんとにうれしい!ああ、ほんと良かった!」
そう言いながら、なんだかハルくんが泣いてるのが分かった。私も泣いてしまって、二人して静かに泣いた。
暗い教室の中で、花火だけが私たちを照らしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます