第4話~咲希の目に映る景色~

 びっくりした。まさかハルくんに告白されるとは思わなかった。

「返事、いつでもいいから。…さ、そろそろ夏海たちの所に戻ろうぜ!」

 だから、そう言って背中を向けられた時は慌てて制服を引っ張ってしまった。

「咲希?」

 ハルくんに言われてハッとする。どうしよう。

「あ、あの、返事なら、今できる…。」

「え?」

 そう言ってハルくんは不安そうな顔をする。当たり前だよね。こんなこと言われたら誰だって不安だよね。

 でも、ちゃんと伝えないと!

「…私も、ハルくんの事好き!」

 恥ずかしくて、思わず目をつぶってそう言ってからそっと開けると、ハルくんはびっくりした顔で私を見ていた。

「ほんとかよ…?」

「うん。」

 ちゃんと頷くと。ハルくんは思いっ切り喜んだ。

「マジか!やった!勇気出してよかった!」

 私も同じですごく嬉しかった。喜びをかみしめてるとハルくんに抱きしめられた。

「ハ、ハルくん!?」

「だってうれしいんだもん!マジか!ほんとにうれしい!ああ、ほんと良かった!」

 そう言いながら、なんだかハルくんが泣いてるのが分かった。私も泣いてしまって、二人して静かに泣いた。

 暗い教室の中で、花火だけが私たちを照らしていた。

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