第3話~春斗の目に映る景色~

 咲希を人気のない教室に連れてきてまさかの初めの会話が『花火が上がる』というもの。しかも咲希が話してくれるし、情けない…。

「あ、あのさ、俺、話があるんだけど、聞いてくれるか?」

 うわ、声上ずった。やばい、かっこ悪い…。

「へ?な、何?」

 咲希もなんか様子が変だな。

「あ、あの、俺…!」

 ドーン!

「へ?何?」

 そう言ったとき花火が上がって、せっかくの告白が先に届かなかった。

「…その、ずっと、好き、だったんだ!」

「え!?」

 今度こそちゃんと届いた。良かった。

「あ、あの…。」

「…返事、いつでもいいから。」

 咲希が困ったような顔をしたからそう言った。

「さ、そろそろ夏海たちの所に戻ろうぜ!」

 そう言って先に背中を向けたのに、制服の裾を引っ張られた。

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