第6話 冬の雷

雪の積もった静かな冬の朝、

あたりがぱっと光り、大きな音が鳴り、

雷が落ちる。


おどろいて外へ出る。

セミの声、積乱雲。

ひまわりの黄色が目にとびこむ。


目を閉じる。

目の前のできごとは真実だが、

現実と認めるわけにはいかない。


現実と認めた瞬間に、

僕は一般常識の世界から剥離してしまう。


誤作動する脳による、

理不尽な脳へのプレッシャー。


そしてプレッシャーがさらなる誤作動を起こす。


僕は自分しかいない世界に迷い込んでしまった。

これからもひとりで出口を探してゆく。

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