第4話 眠れない

眠っても眠っても眠くなる病気にかかった僕は、

病院に行った。

「病状を詳しく話してください」

「眠っても眠っても眠くなり、また、実際眠るのです」

「なるほどなるほど。他には異常はありませんか」

「以前はそんなに好きではなかったチョコレートバーのアイスを、

1日80本食べるようになりました。」

「なるほどなるほど。ではこの薬を差し上げましょう」


僕は家に帰ってその薬を飲むと、たちまち眠くなって

床に倒れて寝てしまった。


目が覚めたのは午前の5時だった。

眠いのを治してほしいのに、もっと眠くなる薬を処方するとはなんたることだ。

しかも、めざめてからというもの、不可思議な曲が何度も何度も

頭の中で流れている。


ゆりかごを揺らす手よ、どうか永遠に。とても安らかに、とても安心し、今日も眠れない


僕はマクドナルドに行きコーヒーと、シナモンとメープルの

トーストのようなものを食べた。


ゆりかごを揺らす手よ、どうか永遠に。とても安らかに、とても安心し、今日も眠れない


後ろで、外人の男4人と、英語が達者な日本人の女が何か楽しげに喋ってた。

ガラス越しに何となく眺める。


ゆりかごを揺らす手よ、どうか永遠に。とても安らかに、とても安心し、今日も眠れない


突然女はへたり込むように椅子に座り、外人に寄りかかって眠った。

外人の男たちは、女の目無理やりを開いて確認し、「大丈夫だ」というようなやりとりをしていた。


ゆりかごを揺らす手よ、どうか永遠に。とても安らかに、とても安心し、今日も眠れない


僕はコーヒーを半分残し、家に帰った。

台風の風が僕の弱い腕をひっぱり、傘をもぎ取ろうとする。


ゆりかごを揺らす手よ、どうか永遠に。とても安らかに、とても安心し、今日も眠れない

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