第75話 新しい工房
ヨハネは部屋を出て階段を下りると、奉公人用の出口から裏路地に出た。
そして彼は商会の隣にある建物を見上げた。
二階建ての煉瓦造りの建物だった。確か
ここを機織りの作業場として、人が寝泊まりできるよう作り直さなければならない。台所も必要だ。ヨハネは頭を巡らせ始めた。荷物を運ぶ必要のある作業場には一階が良いだろう、奉公人が寝泊まりするのは二階にするべきだ、台所は水回りを確かめてからもう一度考える必要がある、そんな事を考えながらヨハネは取りあえず、このすさまじい埃を掃除しなければならないと考えて、大きなため息をついたが、その時また埃を吸い込んで涙が出るほど咳き込んだ。
次の日からヨハネは奉公人たちを使って新しい建物の掃除を始めた。みな退屈な仕事を嫌がったが、少しずつきれいに変わっていく部屋を見るのはヨハネにとって喜びだった。掃除を終えた後は、勘定係と話し合いを持った。彼は、一階には中古の機織り機械を二十台入れる事、それを操る機織り奉公人たち二十人分の寝床と寝具が必要な事、食事と洗濯をするための設備を準備する事などを話した。
最後に勘定係は言った。
「二十人の奉公人はみな女だ。その女たちを従える女奉公人の
二十人の女たちを従える女奉公人の
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