3月18日
こんばんは加納です。早いものでもう3月。そろそろ仕事をはじめて1年が経とうとしています。
もう新人扱いはされません。へたれな生活やってる場合じゃないよ!
というわけでですね、そろそろ「脱へたれ」を目指すぞ! と、俺は朝からあくせくと働くことにしたのです。
それはもう珍しく、自分でもびっくりするくらい真面目に。
あれですよ、係長とそれっぽい仕事の会話のやり取りをしてしまうくらい真面目に。
「ここはあれですよね、確か顧客がうんぬんかんぬん」
「いや、しかし新システムではこれはなくなるし、あまり深く考えなくても――」
「そうですか、じゃあここは「なし」という事で」
カッコイイー! うわー俺カッコイイー!
こんな会話係長としたの初めて! なんかできる子みたいだ!
と、自分に酔いつつ仕事をしていたのですが、そう長くは続きませんでした。
「わかりました。じゃあ一回開発室にいって調べてみることに――」
ブルルルルル! ブルルルルルルルルル!
と、係長との会話の最中に携帯が鳴り出したのです。
うわあ凄い振動。しまった机の上に置きっ放しだった。
しかし誰だ。こんな時間に電話してくるなんて! 仕事中だぞコノヤロウ!
とか思ってみましたがもう夜9時近いのでそうでもなかった。
普通はもう退社してるよね! チクショウユーザーめ!
着信―バカ―
(弟だーーっ!)
(……バカ?)
と、隣にいた古賀くんが画面を見てそんな顔をしましたが気にしない。
それはさておき、電話は凄まじい勢いで鳴り続けてます。
係長も気にしだしました。やばい、せっかくの雰囲気が。
ここはなんとか誤魔化さないと。
「ええと、まあそういうわけで本日はお日柄もよろしくてですね。いやーよかったぁー阪神も7連勝ですよ。めでたいめでたい」(携帯を机の引き出しにしまいながら)
「いや、何言ってんの?! 携帯鳴ってるけど?」
「いやいやいや、気にしないでください」
ガタガタガタガタガタッッ
(まだ鳴ってる)
(まだ鳴ってる)
(まだ鳴ってる)
もしかして弟急用なんでしょうか。結構根性あるなあ。
そうなるとちょっと失礼して電話に出た方がいいかなあ。
あっ、ちょっと待って!
係長なんか呆れ顔!? 急に醒めた顔に!?
やっぱり加納はヅラか――みたいな顔を!
どうして! 違うよヅラじゃない!
いやヅラはどうでもよかった。
「……まあそういう事で、それじゃ設計書の方頑張れよ」
「あっ、係長待って!」
「ごめん、俺も仕事あるから」
と係長は行ってしまいました。
はあ、残念。もうちょっとこの雰囲気を味わいたかったのに。
でもまあ今日一日気張って仕事をして思ったのですが、やはり俺はへたれが似合ってますよ。
のんびり仕事をしながら少しずつ一人前になっていきますよ!
さあ明日も頑張るぞ! ポジティブ思考でいきたいと思いますよ。
ちなみに弟からの電話は「今スシ食ってるよ!」という自慢報告でした。
ぐぅー(腹の音)
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