4月16日

 そういえばこの前のバナナの話なんですが。

 朝起きたら昨日のバナナの皮はありませんでした(朝といっても昼過ぎだけど)。

 ただ道にはねちゃねちゃした白い跡が一つでなくて、二、三本――

 TK(父)の他にもまだ滑った人がいるというのか!


 ていうか羨ましい。

 こんなことなら俺も滑っておけばよかった。こんな体験めったにないし。

 まるで殺人現場の検証を進める鑑識の屈んでその滑り跡を見つめる俺は今思えばさぞかし怪し勝ったと思います。

 今度見つけたら迷わず滑ろう――そう心に決めつつ、俺はコンビニで昼ご飯を買って家に戻ったのです。


 居間で飯食ってると末の弟が起きてきました。


「あーいってぇ……ねえ、アイスノンある?」

 ――と。


「うおい、おまえ昨日遅くまでどこいってた?」

「遊んでた。いいからアイスノンくれ」

「何に使うんだ? あ?」

「バナナで滑って腿打ってすごく痛い。明日部活だし冷やす」

「バナナ?……そんなバナナ」

「ったく、誰だよあんな所に捨てた奴!」


 ところで母のダジャレは無視が基本なんですか?

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