4月10日
こんばんはー加納です。
大学卒業して入社一週間経過しました。今日は仕事の帰りに、津田沼に寄ってきました。人生初の津田沼です。
歓迎会の飲み会で酔っ払って網だなに置き忘れた鞄を取りに――
横浜から津田沼となると軽い小旅行でした。
でも事前に連絡しておいたからすぐ終わると思ったのですが、中々引渡し手続きが終わらないんですよ。
なんか、鞄を預かった駅員さんが間違った整理番号を書いたみたいで、俺が申請した番号と異なったため、 疑われた模様。
「本当にあなたの鞄ですか?」
「はい、そうですけど」
「何か証拠はあります?」
と、かなり無愛想に言われました。
「えっと鞄の中に【加納】っていうハンコが入ってます」
「いえ、そういったものではなくてあなたがご本人だという事がわかるものは持ってますか?」
「いえ、持ってないです。」
ちなみに免許は持ってないですし、卒業時に返し忘れた学生証はありましたが家の引き出しです。紛失物を引き取りに来たというのに、何も身分を証明できるものを持参しなかった社会人です。こんにちは。
「うーん、それじゃねえ……」
と、困りはてる駅員さん。
ですが、別に眼鏡と印鑑だけしか入ってない鞄なんかどうでもいいやという気分だったのであまり気にしてませんでした。もういいかなと既に諦めモードです。
大体この鞄、父のお古なんですが表面に『TK』とか父のイニシャル書いてある時点(しかも焼印で)あまり気に入ってません。
「うーん、本人とわからないとねえ……お渡しするわけにも」
「ああ、そういえば――」
「はい?」
「鞄の中に、俺が写ってる写真が入ってます」
そういえば確か大分前だけど、大学同期で飲んだ時もらった写真を鞄の中に入れっぱなしだったような気がしたので思い切って言ってみました。
しかし、あれは確かやばいと気付きましたがもう遅い。
「うーん、写真ねえ――」
とかいいつつ、鞄の中を漁り出す駅員さん。そして案の定その写真を取り出して顔をしかめる駅員さん。
映ってたのは酔っぱらっておでこに『肉』と描いて荒ぶる鷹のポーズをした俺でした。
「凄い顔してますね…。」
「あ、それ去年の卒業式で酔った時に撮った写真ですんで――」
「左……ですよね?」
「あ、はい」
「……うーんまあ。証拠としては微妙ですが、あなたの熱意がわかりましたので、返却しましょう」
というわけで鞄をめでたく返してくれました。
いやー、よかったよかった。
熱意?
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