とうちゃく
ゴマバラワシさんは、そのフレンズさんにチケットを手渡した。
「本当にありがとうございます!あ、私、ブームスラングといいます。よろしくお願いします!!」
ブームスラングさんはチケットを受け取ると自己紹介をした。それに続いて、私達もそれぞれ自己紹介をした。
「なるほど…シマちゃんがなんのフレンズかを聞きに、としょかんに向かっているわけですね。あの、もしよかったら、私も同行してもいいですか?私もとしょかんに向かってる途中なんです!」
ブームスラングさんは、私達の事情を知るとそう言った。
「もちろん大丈夫ですよ!一緒に行きましょう!!」
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
私が言うと、ブームスラングさんも喜んでいた。
「それでは、また一段と賑やかになったところで、としょかんに向かいましょうか。」
「「「はーい」」」
私とキリン、ブームスラングさんがオオセンザンコウさんに一斉に返事をした。そして、としょかんのある方へと向かいだした。
「ところで、その
としょかんに向かっている間に、チケットを大事そうに持っているブームスラングさんを見て、キリンが言った。
「えっとですね、このチケットは、私が初めてとることのできたチケットなんです。今までずっと見てみたかった
ブームスラングさんは、胸の前でチケットを大切そうに持ちなおして言った。
「なるほど…素敵な思い出は大切にしていきたいものね。もう飛ばされないように気をつけるのよ。それにしても、ギロギロ。今回はあなたの勝ちのようね…」
「私は勝負なんてしたつもりはないのですが…」
「え?勝負ってなんの話ですか?」
「あ、いや、こっちの話よ!なんでもないわ!」
キリンは慌てて誤魔化した。
「そうだ!こうして出会ったのも何かの縁かもしれませんし、もしよかったら、私とお友達になってくれませんか?」
ふと、ブームスラングさんが言った。さらに、
「私、どんなお相手でもお友達として仲良く、というのをモットーにしているんです。だから、たくさんのフレンズとお友達になって、みんなで仲良く楽しく暮らしていくのが夢なんです!」
と、続けた。
「もちろんよ!それにしても、素敵な夢ね。」
「本当だね!私もそんな風に暮らしていけたらいいな〜。」
「そうですね。平和が一番です。」
「私は、いい顔を見るために少し平和じゃないくらいがちょうどいいけどね…ウフフ。まあ、楽しく暮らせるのはいいわね。」
私達は次々に言葉を発していった。
「それじゃあ…キリンちゃん、シマちゃん、ゴマバラワシさん、センザンコウさん、改めてよろしくお願いします!!」
ブームスラングさん、いや、ブームスラングは、元気に言った。私達も続いてよろしくと言った。
「そうだ!せっかくですし、みんなのことを色々聞いてみたいな!」
ブームスラングはそう提案した。
「いいじゃない、それ!みんなのまだ知らないところがわかるかもしれないし面白そう!じゃあ、私から話すわね。」
キリンがいち早く反応し、話し始めた。
その後も、ブームスラング、ゴマバラワシさん、オオセンザンコウさんと続いて自分のことを話し始めた。付き合いがそれなりに長くなってきているみんなのことだけど、知らないことが少しあって、面白かった。
「じゃあ、最後にシマちゃん!何かあるかな?」
ブームスラングが私に話をふった。
「うーん…私、最近うまれたばかりだから、あまりないけど…そうだ!こういうのはどうかな?『シマの冒険談』!ってね。」
そうして、私は生まれてから起こったことを話し始めた。楽しかったこと、頑張ったこと、怖かったこと、嬉しかったこと…私の大切な思い出を全て話した。
「…と、こんな感じかな。」
「すごい…!うまれて間もないのに、そんな大冒険をしていたなんて…!」
私が話し終えると、それを聞いたブームスラングさんは、とても驚いていた。
「そういえば、そうね。本当に冒険って感じがするような旅よね。」
キリンも改めて感心していた。
「そうかな?でも、そんな冒険ができたのも、いつも側にいてくれたみなさんのおかげです!改めてありがとうございます!!」
私は立ち止まって一礼をした。顔を上げるとみんな照れくさそうに微笑んでいた。
日が傾きかけてきたその時、
「さて、そうこうしているうちに、見えてきましたよ!目的地の『としょかん』です!」
と、オオセンザンコウさんが言った。
あれがとしょかん…あそこでついに私の正体がわかるんだ…!!
目の前にある、なんだか変な格好をした建物のようなものを見て私はそう思った。今すぐにでも全速力で走っていち早く到着したいと思っていたけれど、さっきのバビルサさんの件もあるから、高まる興奮を抑えた。
「ついにたどり着いたわね。長い旅だったわ。」
「あら?長い旅にしたのは道を間違えたあなたじゃないかしら?ウフフ。」
「うぐぅっ!!」
「ゴマバラワシさん、いいんですよ。そのおかげで楽しい思い出も多く作れたわけですし。」
「それもそうね。キリン、道を間違えてくれてありがとうね。ウフフ。」
「その言い方をなんとかして!!」
ここで全員に笑いが起こった。と、同時に、としょかんの目の前に着いていた。すると、
「全く、なんですか。騒々しいのです。」
「としょかんではお静かに、なのです。」
と、二人のフレンズさんが中から現れた。
「博士!この子、シマちゃんがなんのフレンズか教えてほしいの!」
「ど、どうも、シマです。」
キリンが二人に要件を伝え、その流れで緊張気味に自己紹介をした。
「なるほど。この間の噴火で生まれたフレンズですね。どうも、アフリカオオコノハズクのコノハちゃん博士です。博士でいいのです。」
「どうも、ワシミミズクのミミちゃん助手です。助手でいいのです。」
博士さんと助手さんは丁寧に自己紹介をしてくれた。
「それでは早速、お前がなんのフレンズかを教えてやるのです。」
博士さんがそう言うと、辺りが静まり返った。みんな緊張や期待など、色々な感情が入り混じっているのだろう。私自身も胸の鼓動が早まっているのがよくわかる。
「お前は…!!」
私達は一斉に唾を飲んだ。そして、博士さんの口が再び開かれたーー!!
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