いちにちのおわり

私の声でキリン達が一斉に私と、倒れているフレンズの方にかけてきた。様子を見ると、ぐったりとしていて、辛そうな顔をしている。

「も、もしかして、セルリアンに襲われたのかも…?」

キリンが震えながら言った。

「いや、その可能性は低いと思う。見た感じ、目立った怪我はないからね。とりあえず、ここだとこのフレンズの体を雨で冷やしてしまう。私とキリンとシマでベッドまで運ぼう。アリツさんは体を拭くためのタオルの用意を頼むよ。」

オオカミさんが冷静に言った。

「わかりました。お部屋はロビーのすぐ近くのところをお使いください。」

アリツカゲラさんも冷静に言って、棚の方に向かった。私も、キリンとオオカミさんと一緒に、このフレンズをベッドまで運んでいった。


アリツカゲラさんが、部屋に明かりをつけて、私とキリンが体をふいたのと同じもの、タオルを四つ持って部屋に入ってきた。私達はそれぞれ一つずつタオルを持って、ぐったりとしたフレンズの体を丁寧にふいた。その後、オオカミさんが、そのフレンズの体をさっと見た後に、おでこに手を当てて、

「やっぱり、体に目立った怪我は特にはないね。ただ、空から落ちてきただろう時に背中を打っているみたいだね。それと、熱もあるみたいだ。アリツさん、湿布と熱を下げる薬はあるかい?」

と、言った。

「はい、多分ありますよ。ついこの間、バビルサさんから色々頂いたばかりなので。すぐ取ってきますね!」

アリツカゲラさんはそう言って、部屋を出て行った。


今、目の前にいるフレンズはとても苦しそうにしている。私は心配になって、

「オオカミさん、このフレンズさん、助かりますか…?」

と、震えた声で聞いた。

「わ、わ、私も心配です…大丈夫なんですか…?」

私に続いて、キリンも体を震わせながら聞いた。

「大丈夫、安心して。薬を飲んでゆっくりと休んでいれば、すぐに治るさ。」

オオカミさんは、私とキリンを落ち着かせるように優しく言った。とりあえずは大丈夫だとわかった私達は、ほっと安心の息をもらした。


「お待たせしました!お薬と湿布、持ってきましたよ。」

アリツカゲラさんが部屋に戻ってきた。その手には四角くて薄いものと、透明な瓶に入った水のようなものが見えた。オオカミさんが、それらを受け取ると、薄いものをぐったりとしたフレンズの背中に貼り、水のようなものを飲ませた。「薬」を飲んだそのフレンズは、一瞬、顔をしかめて少し苦しそうにしていたけど、すぐに落ち着き、その後しばらくして、すやすやと寝息を立てて眠りについた。

「これでとりあえず一安心。」

オオカミさんがそう言うと、緊張がほぐれて、一気に体の力が抜けたような気がした。



その後、アリツカゲラさんが水で濡らしたタオルをそのフレンズのおでこに乗せた。そして、私達は起こさないようにと、部屋の外に出た。

「さて、彼女はきっと『ゴマバラワシ』のフレンズだと思う。スカイレースに出場していたのを何回か見たことがあってね。彼女はスカイダイビングが好きで、ああ、スカイダイビングっていうのは、空の高いところから落ちていくものさ。」

四人が集まるのを待っていたオオカミさんが言った。

「スカイダイビング!?なんておそろしいことを…そんなこと、私は怖くて絶対にできないわ…」

「たしかに、ちょっと怖いね。私もやりたくないな。」

「私も空は飛べますが、スカイダイビングはちょっと厳しいですね…」

「そうかな?私はやってみたい気もするけどね。フフッ。」

私達はスカイダイビングについて盛り上がった。



少し時間が経ち、ふとアリツカゲラさんが、

「それでは、私は夜中になにか異常があったら大変なので、ゴマバラワシさんの看病をしてますね。みなさんはお先にお休みになられてください。」

と言った。それを聞いたキリンが、

「待って!それ、私がやるわ。」

と言った。続けて

「私、睡眠時間が短いから、夜もずっと起きてられるからね。それに、いつも一人で起きててちょっと暇だから、ちょうどいいと思うのよね。」

と言った。オオカミさんとアリツカゲラさんは少し不安そうにしていたけれど、アリツカゲラさんは、

「わかりました。やることは今、ほとんど教えますので、ぜひお願いします。」

と言って、キリンに色々教え始めた。私とオオカミさんはしばらくその光景を見ていたけど、私があくびを一つしたのを見て、

「お疲れかな?フレンズとしてうまれたこの一日、色々なことがあったからね、ゆっくり休むといいよ。私も眠くなってきたから、部屋に戻ろうかな。」

と、オオカミさんもあくびをして言った。私は三人に「おやすみなさい」と挨拶をし、自分の部屋に向かって行った。



私は部屋に入るとすぐに、ベッドに横になった。昼に見ていた天井は、暗くてあまりよく見えなくなっていた。


私がフレンズとしてうまれたこの一日、立て続けに色々な楽しいことや、驚くことが起きた。昼に寝て疲れが取れたとは言っても、短い時間だったから、やっぱり体は疲れていた。



今日という一日が終わろうとしている。




明日もなにかおこるといいな。




そう思いながら、私は目をつぶった。私一人しかいない部屋の中に、外の雨の降る音が響いていた。








「この暗い中で、フレンズの様子をじっと観察している感じ…探偵が事件の証拠を集めるために、張り込んでいるような感じに似ている気がする…!悪くないわね。」

ろっじにいるみんなが眠りについている頃、キリンはじゃぱりまんを片手に、一人、テンションがあがっていたらしい。

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