第3話

……デート当日……

「ごめん待った?」

待った。三十秒間も

「よし行こう!」

すると相川は駅前広場のすぐそばのカフェに入った。

「……映画館は?」

「チケット取ってあるから」

oh……リア充……

カフェでは二人で小説の事を少し話しただけだった。

カフェを出て映画館に向かっている途中で、相川に聞いてみた。

「……私とでつまらなくないの?」

「楽しいよ」

……変わり者が。

映画は有名アニメだった。悪くは無かった。

「面白かったな」

「まあまあ」

「あれぇ?相川君だぁー」

やばい。あれはリア充女A。

こちらに目を向けると笑いながらこう言った。

「……誰かと思えば坂上だぁーなになにデート?」

「そう」

ちょっ!?そんなストレートに言わなくても。

「……ふーんそうなんだ。それじゃ」

不機嫌になりリア充女はその場を立ち去った。

「なんだろあいつ」

なんだろお前。

昼食ということでレストランに入ったが、なんだあいつの「オススメで」は。こちとら店員に注文するのも辛いんだよ。

「そういえば坂上は、俺とデートしてよかったの?」

全く……とも言いづらい。

「……私の恋は叶わないから」

すると相川は驚いた様子でこっちを見てきた。

「好きな人いるの」

「……いたよ」

それ以上彼は聞かなかった。

「……その人は相川君と似ていたけど似ていなかった」

「……イイヤツだったんだな」

ちょっと待て。何お前がイイヤツ設定で話を進めているんだ。

しかし相川とたっ君こと神楽 佑は似ていた。

どこか抜けていて、危なっかしが誰よりも人を思っている。

しかし佑は身体が弱く小学六年生のある日に病院に入院し、そのまま姿を消した。

「……私帰るよ」

「…………またデートしてくれる?」

「いいよ」

私自身もこの答えに戸惑った、理由は明白だが。

「私の恋が叶わない限り」

今日、私は久しぶりに人を信頼した。


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