第2話

……その日の夜……

「何なの!あいつは!」

一人暮らしのマンションにはよく響いた。

「……虚しい」

「なら小説を書きましょう、そうしましょう!」

「……家に来る時は連絡ください」

この人の合鍵返してもらおうかな……

この人は、編集さんの魅実見川美美子。通称ウサギさんだ。

「……ウサギじゃないからね」

エスパーかこの人は

「それはそうと夕食まだですよね。編集部のお金で夕食作っておきました!」

「……ありがとうございます」

「先生自炊できるのに一切しないんだから」

そういえば一度だけ料理を振舞ったことがあったっけ。

「そういえばさっきのあいつって何ですか?」

……事情説明中……

「それは脈アリですね」

サラダを頬張りながらわけのわからないことを言い出した、わけがわからないのは名前だけにしてくれ。

「だって先生めっちゃ可愛いじゃないですかぁ」

「……編集さん詐欺?」

「新手すぎる!」

正直自分の容姿に興味が微塵もない。

「スクールカースト上位のリア充ってことはイケメンてしょ?いろんな意味でいい勉強になるんじゃない?」

現実での過ごし方的な?

「好きになってそのまま小説書くのやめないでね?」

「それは無いです」

「ハイハイ。片付けは私がしておくので先生は執筆よろしくです!」

めんどくさいなぁといいながらスマホを開くと、忌々しき相川からメールが来た。

(デートどこ行く?(`・∀・´)

(どこでも)

(冷たいなぁ(/ω\*)土曜日に映画とかは?)

(それでいいです)

(それじゃ駅前広場で|・x・)ノシ)

顔文字!あと返信早すぎだろ!

というか何であいつ私の番号知っているのだろう?

さて、執筆しますか。


……翌日……

……あの編集鬼畜だろ……少しくらい寝かせてくれたっていいじゃん……

「おはよ!坂上」

喋りかけるな相川。お前が声かけると女子が殺意の目でこっち見るんだよ!

「……」

そして一日事あるごとに相川から遠ざかるようにした。

「……放課後の屋上はなんか全部流してくれるよなぁ……」

しんみりしていると、しんみりを奪いに相川が来た。

「……私に構わないで」

「……違う違う。話したじゃん。友達でしょ?」

何そのリア充による魔の方程式リアニズムは。

「それじゃこうしよう!一日で喋るのは放課後の屋上だけ。これならいいだろ?」

あっちには秘密を握られている下手なことは出来ない。

「他に人がいなければ」

「OK。明日のデート楽しみにしてるよ!」

あっ……忘れてた。





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