『暗黒館の殺人』 綾辻行人 著
九州地方の山奥に立つ、怪しげな洋館。
その館には窓がなく、外観から内装まで全てが黒く染まっていた――。
これを最初に持ってくる時点で、私のミステリに対するスタンスがご理解いただけたのではないでしょうか(笑)。新本格ブームを巻き起こした、綾辻行人の『十角館の殺人』。本作はその系譜に連なる、館シリーズ七作目にあたる作品です。
シリーズではお馴染みのワトソン役、
暗黒館で暮らす謎めいた人々、度々差し挟まれる謎の声、『ダリアの日』の秘密――そして、『中也くん』と呼ばれる『私』の正体は?
陰鬱で幻想的な世界観で描かれる驚天動地の大仕掛け。文庫版で二千頁を超える綾辻行人畢生の大作。
以下、ネタバレありの感想になります。
いやあ、どうでしょう、このトリック(笑)
ミステリでこれをやるのは多分反則だと思いますし、賛否両論分かれる作品でもあるのですが、私は何よりこの世界観が大好きです。暗黒館に住みたい。
お気付きの方もいらっしゃると思いますが、私の『浦登みっひ』というペンネームはこの『暗黒館の殺人』の舞台となる浦登家からとっています。『みっひ』は私が未成年の頃からずっと使い続けているHN。スペルはmich、ドイツ語で『私に』を意味する言葉です。
浦登家には『
浦登みっひ。いかにも暗黒館に住んでいそうな名前じゃないですか。
しかもしかもしかも、この『暗黒館の殺人』の文庫版には、私が最も愛する音楽家であるALI PROJECTの宝野アリカ様が、『特別寄稿』として綾辻さんとの出会いについて語っていらっしゃいます。
私が綾辻さんの本を手に取ったきっかけはアリカ様のブログ記事ですからね。これが興奮せずにいられましょうか。
登場人物の中では、美鳥と美魚の双子が特に好きでした。天真爛漫なのにミステリアス。しかもピアノを弾く。漫画やアニメを含めても、これまで私が見てきたキャラクターの中で美鳥と美魚の二人はトップクラスに萌えますね。ええ、この感情を萌えと呼ばずして何と呼ぶ。それだけに、美魚が死んだときは本当に悲しかった。
私は序盤の背景に関する描写、事件が起こる前の関連が薄そうな部分は結構さーっと流し読みしてしまう方なので、素で気付きませんでした(笑)。それに、まさかミステリでこれをやるか、という驚きもあったかもしれませんね。
私はピアノを少々齧っているのですが、作中で美鳥と美魚が演奏しているサティの『グノシエンヌ』と、シューベルトのピアノソナタ20番、第二楽章。どちらも弾きました。サティを好きになったのは暗黒館がきっかけだと言っても過言ではないですね。中原中也の詩集も買いました。
おっぱいの話を書いているときも、ウインクの話を書いているときも、私の心は常に暗黒館にあるのです。
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