追記

 ああ、そうそう。もう事件は終わったんだから、皆さんには関係がないかもしれないが、俺は今後とも、この能力と付き合っていかなければならないからな。ここに、今回の事件で分かったことを追加しておく。


 ○事実

✓・人がこれから経験する幸福または不幸が見える(たまに)

✓・人の人生の幸福度や不幸度が見える(いつも→白崎実琴以外)

✓・一度に多くの人の幸福度や不幸度がわかる(今のところ、最大五人)

 ・最初にこの力を得てから、三日間眠り、覚醒してから力はなく、二日後にもう一度力を得た。

 ・もう一度力を得てからは倒れていない(最初は一度に大勢見た)

 ・再び力を得たと発覚した十分ほど前から、頭痛がしだす

 

 ○追記

 ・第一項目を「未来能力」、第二項目を「過去能力」と名づける。

 ・未来能力は(比較的)直後に起こる幸福または不幸を見る

 ・過去能力は、少しでも自ら意識的に使用すると、ひどい頭痛を伴う

 ・過去能力は、鏡・写真・動画を通して効力を有しない

 ・過去能力は両目で見ないと効力を有しない(未来能力は関係がない)

 

 ○推測

 ・過去能力は「視覚の認識」と「脳の認識」を満たすことで効力を有する

 ・視覚の認識とは対象の身体の大部分を見ること、脳の認識とは対象を人間だと脳が認識すること

→・脳による認識が先にある場合とない場合では、視覚が認識する身体の範囲に違いはあるのか?

→・視覚の認識は満たしていても、脳の認識が満たされていない場合、過去能力は効力を有するのか?

 ・自分自身に対し、過去能力は使えない

 ・過去能力は主観的、未来能力は客観的な幸福と不幸の価値観から発動する


 この能力について、不明なところはたくさんあるが、時間はたっぷりあるんだ。それに、佐々が言うように、俺には協力者が少なくとも二人はいる。心強い二人がな。きっと、俺が悩んでも、三人いれば見つけ出せるだろう。

 今回は、忘れてはいけない最初の出来事を、記録できたので満足だ。現在も語るべき事件はたくさんあるのだが、それはまた今度、俺の文筆能力が上達してからにしようと思う。

 では、皆さん、また気が向いたら会おう。それでは。

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不幸福論 ミタヨウ @mitayo-tgm

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