パーティーデイ

「こちらはイタリアのトリュフとロシアのキャビアを使った前菜になります。」

優雅に流れるクラシック、ランチからしてコース………お詫びらしい。

昴はバラがらの着物をはおりピアノを弾いている。

「昨日はみなさまご迷惑おかけして申し訳ございませんでした。それでは今日のメインディッシュ『炎の舞』を今から調理いたします。」

和太鼓と同時に二台の机から炎が舞、昴のドラムとともにパフォーマンスがはじまりお嬢様がたが歓声あげる。

「お昼こんなに食べたら夜はいらないよ。」

アリスちゃんのいいぶんごもっとも。

どれだけ経費かけてるんだ………。

「演技、我学園の元料理長、蔵元有友、和太鼓、蔵元晋作、ドラム星砂昴!みなさん『ホッコリ牧場』、さいごの牛肉、存分にお召し上がりください。」

結局やめるんだ、『ホッコリ牧場』というのは相模湖近くにあるパパの実家だ。

学園の肉も卵もここで育てたものしか提供しなかったのだがそれは廃止にすることになったらしいと牧場を管理するサチさんからきいた。

「箱根富士山ホテルで修行をしたシェフ有砂総司が作った横浜をイメージしたスィーツを楽しみながら歌姫セイラの美しい歌声をおききください。」

お皿にベイブリッジが描かれケーキで学園かたどったデザート。

海に浮かぶ

大桟橋を見つめながら赤レンガパークを歩く

遠くには苦境を乗り越えたシンボルジャックのとう

スカイブルー スカイブルー

歩いていけば光る海に浮かぶ氷川丸

………♪

セイラさんのすきとおった声が響く

途中からトシヤとデュエットになり拍手で終わる。

トシヤが私のほうにくる。

エッ?!手をとられ私はスポットライトにてらされる。

「みなさんにお知らせします。僕は有砂瑠璃さんと婚約しました。」

行きなり言われあわてて左手あげるはめに………トホホ、恥ずかしい。

「これからもみなさんよろしくお願いします。では式典フィナーレになります。」

式典………関係ないし。

俊哉に手をとられ私は退室。

「行きなり宣言しないでよ。」

俊哉に抗議する。

「いいじゃん。マスコミにもひろうしたんだし。ああもうだからむちゃくちゃだっていったのに。ギンギンに赤字て怒られたし。」

ギンと言うのは学園の財務会計係である。

観光名所を貸し切りにしたんだからそうとうだろうな………おまけに今日の豪華すぎるランチ。

「姫、お久しぶ!疲れたでしょ?いっかいビューティータイムしてから次に行こう!」

サチさんがいるということはSSコース!?そこまでていれしなきゃ行けないんですか?

SSコースと言うのはアロママッサージ師の資格を持つ川本沙知代と海外でエステ修行をしたというサヨさんがやる私だけのコースで特別な時にしかやらないんだけど

………ここ横浜だけど。

「トシヤもトシミチがやるってさ。」

いきなりいわれたのでパソコンとりおとしそうになってるし。


海が見える星砂屋敷の最上階でしっかり磨かれ、メイクもばっちりされ、星砂屋敷から十番へ………。

着いてからそういうことねとなっとく。

「それでわ、トシヤと瑠璃さんの婚約を祝いカンパーイ!」

星砂家、昴、トシヤのバンドの関係者が会場をうめている。

また肉ですか?

すすめられるのでノーともいえず。

美味しいけど…お腹いっぱい。

「まだ仕事あるから。」

トシヤも飲み過ぎないうちに断る。

いきなり婚約てビックリ、信頼はしてるけどさ、赤ちゃんの時からそばにいるからお互いよくわかってるしね。

ハルは昴だけど私はトシヤだ。

ここにいそうな人いないけど、騒ぎになるから呼ばれなかっらしい。

こういう場所苦手なハルの姿もない。

つかれた、奥多摩に早くかえりたい。


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