幼なじみ

結局、二部は延期になり………次の日にもちこしになった。

「山手十番、貸し出しで二次パーティありというわけで瑠璃姫様は開校式の途中で移動になりますわ。」


星砂家が経営する『ドロフィーヌ学園』は、本部は奥多摩にある。

奥多摩は全寮制、今年から横浜校ができた。

もとから規模は小さいけど初等科は山手にあったらしい、ちなみにここは星砂アゲハ、前学園長の奥様が校長を務めていたという話だけど、アゲハさんの本業て小説家のハズだけど。

「えっと、これは幼稚園でこっちは小学校………」

「おはよう姫ちゃん。母さん寝たら?」

あんのじょうあさから息子のハルとパソコンにかじりつくアゲハさんがいた。

「こっちはまかせた。仕上げなきゃいけない記事があるからやらないと。おはよう、バタバタしててごめんね。テラスに朝食あるから食べて。」

「おはようございます。わかりました。ハル、お久しぶり!」

アゲハさんの孫のハルは一緒に育った兄弟のようなものだ。

ハルのほうが歳上だけど確か高校生だったと………。

星砂の人間てよくわからない関係も複雑だし。


テラスにでるとトシヤがいそがしく動いていた。

どうやら朝食を作っていたらしい。

「瑠璃おはよう。アゲハさんとこ持って行って。ハイハイお前たちにも御飯あげるから。」

柴犬に鳴かれて苦戦している。

トレーに乗ったサンドイッチと紅茶を廊下を戻り持っていく。

「トシにいはきがきくな。俺も朝にしよ。」

ハルがウーンとのびをする。

ここは階段の下で広いエントランスの一部である。

副業しながら仕事できるのでここのほうが楽というのがアゲハさんのいいぶんである。

「ハルて高校生じゃなかったっけ?」

「母さんの仕事手伝いながら専門行ってるんだ。す~にいも規模広げるなら人を増やして欲しいよ。俺、高校生なのに学園長補佐になってるし。」

トシヤも同じようなことなげいてたな。

一応、バンドマンなのに学園長補佐、子育て係て。

「アゲハさんの副業て波に乗ってるの?」

「まあ最近はいろんなとこに呼ばれるようになったからモデルは他にたくして劇団のほうに力いれるらしいよ。」

アゲハさんもイロイロ仕事やりすぎだし。

「幼稚園に保育園とか行ってるけどムチャだよね。」

ハルも苦笑する。 身長ものびて元からととのった顔のイケメンだったけどカッヨクなったなあ。

私、ハルにしとけば良かったかな。

そんなこといったらトシヤがいじけそうだが。

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