第19話 『地球侵略願望』 その5

「あのですね、アニーさん、いつか聞こうと思いながら・・・、君は、いったい誰が派遣したの?」


 地球の警部さんが尋ねました。


「はあ、もう聞かないと思いました。」


「そりゃあ、ないだろう。」


 拘置所から、空の彼方に離れながら警部さんが言いました。


「女王様ですよ。」


「はい? 女王様? だって? どこの?」


「そりゃあもう、『火星の女王様』。」


「はああ? そりゃあ、変だろうに・・・だって攻撃してきてるのが『火星連合』なんだろう?」


「はい。連中は裏切り者と言うか、分派と言うか、対抗勢力と言うか、反対勢力と言うか・・・そんな人たち、です。」


「むむむ。もしそうなら、ぼくらは内輪もめに巻き込まれてるのか?」


「いやあ、まあ、そうでもあるし、そうでもないです。女王様も時が来たら、地球は支配するつもりだったしね。」


「どっちも敵か!!」


「まあ、巻き込まれたんだから、しょうがないでしょ。いまさら。」


「じゃあ、あの宇宙警部は実は、何なんだ?」


「彼は、あくまで『宇宙警察』であって、どっちでもない第3勢力ですよ。まあ、あえて言えば、彼だけが地球人の味方かな。」


「冗談じゃない。降ろしてくれ。」


「ここで降りたら、地上まで墜落ですよ。ここは、付き合いなさい。諦めも肝心ですよ。」


「くそ! どうするの?」


「『火星連合』の司令母艦を破壊します。」


「そっれって、どこにいるの?」


「月の裏側でしょう。きっと。連中が考えるのはその程度ですから。」


「む。ぼくも同行せよと。」


「はいー。ここまで仲良くしたんだからね。じゃあ、行きます!」


 アニーさんは、地球を脱出しました。


 そこには、『火星連合』の宇宙船が、大量に待ち構えていたのですけれど。



************   ************






















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る