第3話 宇宙人?
翌日には、警察関係の方がどかんとやって来ました。
テレビや新聞や週刊誌の方も、いっぱい来ました。
「まいったなあ。こんなに来るとはね。」
松浦さんと言う、若い刑事さんが、そう言いました。
もうお一人は、田中さんとおっしゃいました。
ちなみに、配置転換された刑事さんは、諸井さんでした。
この方は、その後、ちょっと田舎の「街」の警察署の副所長さんになられたのですが、このころは、まだ「長」はついていませんでした。
「あの方は、自分のやり方を曲げない人で、上の人とはうまくやれないタイプです。まあ、それだけピュアな刑事ですけどね。」
『ピュアな刑事』という表現は、初めて聞きました。
簡単に言うと『頑固な』という意味らしかったですけれど。
「仏さんは、全部でなんと15人です。あなたの前のお隣の庭から出たのは、結局全部で30人に上りました。そのうち12人は、江戸時代以前のものです。殺人と言うよりも、遺跡ですな。しかし10人は、昭和以降です。最近のものが6人でした。ただし・・・」
「え?ただし?」
わたくしがお尋ねしました。
「はい、それがですな、どうもそれでお終いではなさそうなのです。まだ調査中ですが、どうやら、あの二軒の家の敷地全体に、広がっているようでして・・・」
「うわ、わわわわわわわ・・・・・」
わたくしは、そのうえで、毎日寝起きしていたわけです。
ということは・・・・・・
「まあ、ここはこれからですが、同様の可能性があります。それと、これは、まあまだ秘密ですが・・・いいかなあ?」
松浦さんが田中さんに確認しました。
「あなた、怖がりですか?」
田中さんが少し意地悪そうに聞いてきました。
「このお話で怖がらない人がいたら、会いたいですわ。」
「まあ、そうですが、しかし、あなた、しっかりは、していらっしゃるからな。あのですね・・・、これらの遺体は、明らかに食べられたものと推定されます。」
「えええええええええええ!」
「まあ、具体的な事は省略いたしますが、しかしそれが、人によるものかどうかが問題です。」
「そりゃあ、だって、動物ならそんなに丁寧には埋めないし、第一柿子さんの夕べの言い方でも・・・・・」
「ああ、言い方が良くなかったです。つまり、犯人は人間ではないのではないか?つまり、通常の地球人ではないかもしれない。と、ぼくたちは思っています。内緒ですよ。とくにマスコミの方には言わないでくださいね。まあ、勝手に想像はするでしょうが。」
「はあ・・・・・・あの、やはり、ひっこしてもいいでしょうか?柿の木のない場所に。遠くに・・・。例えば北海道とか・・・」
「ええ、それはご自由ですが、居所は、はっきりしていてください。あなたは容疑者ではないが、重要な目撃者ですからね。この事件の現場、またそのそばには、必ずあなたがいた。」
「もう、十分、疑われておりますわ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます