幼い日

甘い香りに導かれて

この場所にやってきた

柔らかく包み込むように

頑なな気持ちを溶かしていく

懐かしい匂い


心は幼い日々に引き戻され

記憶の影に覆われていたあの人の笑顔を

久しぶりに思い出す


どうして忘れていられたんだろう

あんなにも

いつも後を追いかけていたのに


大切なことをたくさん教えてもらって

なにも返すことができずに

いつの間にか離れてしまっていた


甘い香りに導かれて

あの人のいる場所を探して

今度は僕が

その手を握りしめてあげたいよ


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