5 のんびりと数字
「888…がイエス・キリストて、ギリシャのなんだ…ゲマトリア?って…なんか今日はすんごいの掘り当てたなぁ…」
巷で”天使数”なる書籍が売れに売れているらしい。
かくいう自分自身も、よく見るというどころではない、これはもはやそのメッセージを解読せよということなのではないか?と思いたくなるぐらい行き当たる数字というのが存在する。
興味本位に、書籍を購入した。
そうしてそれだけでは自分の中での確信を得ることができず、ネット文献を読み漁ることにした。
「コピペ、コピペで拡散された奴の中にもたまには”本物”ってのが存在するんだが、これは結構興味深い本物だなぁー…うーん、ノアの方舟は…やっぱり神様の計画の一部なんか?」
これまでによく顔を合わせていたのはカラスばかりだったが、なぜかこの案件に取り掛かってから雀と土鳩がよく寄ってくるようになっていた。
「鳩は平和の使者、ていうのは知ってるけど…アララト山にオリーブもって帰ってきてくれたんだっけ?
それ考えると平和の使者っていうよりは、もう終わりましたよ~安全ですよ~っていう合図をくれるいいやつって感じなんだけどなー。」
街中でよく見かける鳩と土鳩では、鳴き方が違うのだと、自然の多い拠点に身を置いて知った。
「雀、すずめは…すすめ?…んーいや…伊達正宗公…うーん…第六地区…東北…んー?
いや、メッセージ性よりも雀の飛び方鳴き方のほうが、私にはおしゃべりしているように感じるんだがなぁ…何か教えてくれようとしているような…」
警戒心の強い野生の生き物たちは、独特の合図の仕方を持っていて、注意深く聞いていると、話あっている内容によって鳴き声がパターンに分かれているようなのだ。
「人間の舌根と同じような筋肉もってるんだっけ、鳥さんって。
すごいよなぁ…学習能力もさることながら、その喉の仕組みだぜ。」
すっかり頭の中は、ゲマトリアより鳥の身体構造にすり変わっていた。
「それぞれの数字、アルファベットに意味があって、んー…アルファベット進数をつまり換算するとこういう式ができて…んぁ?へブル文字か。えーと、へブル文字進数…おぉ…砂漠の民って感じの文字だなぁ!」
なぜか国境を問わず、世界各国には「霊数」という概念が存在していて、それがジンクスであったり暗号に使われる基礎になっているようだ。
そこから誕生日占いや、生まれ変わりなどの類も派生していっている。
「数の神秘性というのは、古代エジプトから始まっていっている。
んー…これピラミッドにまつわる数字とかも掘り下げていったほうがいいのかね。
私の中で謎が謎を呼ぶ…」
これが今度はいったい何に必要になってくるのか。
いつもそういう先触れがある。
誰かが何かを困っていると、それに関する知識や情報の方からアクセスがかかってくるのだ。
そういう時は、迷わず、その情報を”仕まう”ことにしている。
「ん、よし。今日はこれまで」
値上がりするかもしれない前に、あのお店のフライドポテトのLサイズを2つ買いに行こうと思っていた。
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