第2話

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――――――

―――


数分後駆けつけた他の警察官に一部伏せて状況説明をする藤井


藤井「―――…っという事です」


厳つい警察官「事情は分かったが間宮拓治巡査部長はどうした?」

                         シジマ ジン

藤井「申し訳ありませんが私にはわからないんです…志島 仁警部」


志島「……そんな言い訳が通用するとでも思っているのか?」


藤井「言い訳に聞こえてしまうでしょうが本当にわからないんです…」


志島「…ッチ」


露骨に不機嫌になる志島


志島「…捜索範囲を広げるぞ、狐人と間宮巡査部長を見かけ次第追跡及び確保しろ」


他の警察官「はい!」


志島「事と場合によっちゃあクビ…あるいはお前らが豚箱行きだからな?覚悟しとけ」


藤井「…」


―――――――――――廃工場入口付近


間宮(あいつ…白狐が言った場所はここのはずだが…)


子供1「―――ぃこっちだよー!」


子供2「待ってよぉー」


小学生3~4年?ぐらいの子供二人が廃工場へ入っていく


間宮(なんでこんな所に子供が…?ってそんな事考えてる場合じゃないな追いかけて止めないと…)


急いで子供達を追いかけ廃工場の中へ入る間宮


子供1「早く早くー!」


子供2「だから待ってってばぁ~」


間宮「あっちか…」


子供を追いかけ進んでいくが…


間宮(っく…見失ってしまった)


ガタタタ…ガンッ…不意に奥にある倉庫が閉まる音がした


間宮(……罠だったか?だが、ここまで来て引き返す訳にもいかないか…)


音がした扉に手をかけるが少し躊躇する間宮


間宮(………開けるしかない)


ガタタタタタ…


覚悟を決め倉庫の扉を開ける


倉庫の中はかなり広くコンテナなどが置かれていたが薄暗く奥の方までは見えなかった


白狐「やぁ、さっきぶり」


そして中央のコンテナに、白狐と名乗った狐面の青年らしき人物が座りその少し奥に2人ほどいた。


片方は杖付いた老人らしき人物で、もう片方は薄暗いためはっきりとはわからなかったが、女性らしき人物なのは把握できた。


間宮「あぁ、そうだな…」


周りを警戒し銃に手をかける拓治


老人「そう警戒しなさんな、儂らはお前さんをどうこうするためにここに来させた訳じゃないわい」


面で顔は分からないが杖をついていかにも老人のような方が話しかけてくる


間宮「すまんが俺は用心深いんでね…」


いつでも銃を抜ける状態を維持する


老人「ふむ…まぁ話し合いができればええかのぉ」


間宮「…そんなことより、ここに子供がこなかったか?」


白狐「子供…君の後ろの二人の事か?」


子供二人「「僕(私)達のことかなぁ?」」


間宮「っ!?」


後ろから声がし銃を咄嗟に抜き後ろを振り返る

              クロツバキ

黒椿「初めましておじさん僕は黒椿」

              シロツバキ

白椿「初めましておじさん私は白椿」


狐の面を着けた子供がお辞儀しながら自己紹介をする


間宮「っ………こんな子供が…?」


黒椿「僕達は自己紹介したよ?おじさんの名前は?」


間宮「…間宮拓治…巡査部長だ」


少し戸惑いながらも返事をする


白椿「間宮部長~?」


黒椿「間宮部長~!」


楽しそうに間宮の周りをグルグル回る二人に困惑する間宮


白狐「…二人とも落ち着きなさい」


白椿 黒椿「「はーい」」


白狐に言われ狐人達のいるコンテナの方へ走っていく


白狐「さて…いい加減、質問タイムに移ろうか…間宮巡査部長?」


間宮「あ、あぁ…そうだな」


相手のペースに飲まれて少し萎縮しながら生返事をする


間宮「…まず一つ目の質問だが、お前ら狐人は一体何人いるんだ…?」


白狐「狐人は9人しかいない、だが9人から増やすつもりはない」


間宮「それじゃぁ、二つ目だ、何故お前等狐人は人を殺す?」


老人「ふむ…儂ら狐人はある目的の為に殺人を繰り返しておるんじゃが…まぁこれぐらいしか今は言えないのぉ~」


間宮「…俺が聞きたいのは、その目的なんだが…?」


老人「それは君達警察が考えるべき問題じゃ」


間宮「…三つ目の質問、どうやって警察の包囲網を掻い潜っている…?」


黒椿「ん~?それはただ単に警察の包囲網が穴だらけなだけだよ~?」


白椿「だけだよ~?」


間宮「っ…四つ目…何故俺をここに呼んだ?」


白狐「…ゲームを開始するためさ」


間宮「ゲームだと…?」


白狐「二つ目の質問で目的を聞いてきたが…まぁ分かってると思うが狐人の目的はまだ達成されてない、狐人はその目的を達成しようとする、そしてお前等警察はその目的を阻止しなければならない」


間宮「何故阻止しなければならないんだ?」


白狐「狐人は目的にの為にさらに人を殺す…それだけで警察は動かなければならないだろ?」


間宮「…」


間宮は遠まわしに目的を探ろうしたがうまく行かない


白狐「質問はこれだけか?」


間宮「最後の質問だ…お前等の中に――――」


ウィーーーン… ウィーーーン… ウィーーーン…


パトカーの音が工場に近づいてくる


白狐「あらら残念、時間切れだ」


間宮「おい、待てまだ質問は…」


白狐「聞こえなかったか?時間切れだ」


そう言うと懐から煙玉を投げ煙幕を作りだし白狐を含む全ての狐人が散り散りに去って行った


間宮「…ッ」


間宮(もし…もしも警察の中に狐人の内通者がいた場合…)


身内を疑うようで気が引ける…そう感じながらも警察内に裏切り者がいるんじゃないか?


そう考えているうちに志島と他の警察が間宮のいる倉庫に着いた


志島「間宮巡査部長…ここで何をしている?」


間宮「…狐人と会話をしてました」


志島「…捕まえようとせずにか?」


間宮「は…ぃっ」


首元を掴みながら尋問を始めた


志島「犯罪者と仲良く会話をしてたっていうのか?」


間宮「それは…違います」


志島「違うなら何故お前しかいないんだ?」


間宮「――ッ」


更に首を絞められ回りの警察官が仲裁に入ろうとした瞬間


『おーい、間宮を責めても無駄だぞ?』


不意に機械を通し気の抜けた声で誰かが話しかけてきた


志島「…誰だ?」ドサッ


間宮「ケホッ…」


間宮から手を離しどこから聞こえてくるのか探る志島


『わかってると思うけどこれスピーカーからの声だから探しても時間の無駄だだよ~』


志島「こっちの声は聞こえてるんだろ?お前は誰だ?」


白狐『狐人の白狐、詳しくはそこの間宮巡査部長から聞けばいいんじゃないかなぁ?』


志島「…」


志島は無言で間宮を睨みつける


白狐『さて、さっさと要件を伝えたいんだけどいい~?」


志島「要件だと?」


白狐『君ら警察の中に内通者がいるよ~って話』


周りの警察官がざわつく


間宮(…っ!!)


志島「………いきなりそんな事を言われて信じろと?」


白狐『信じるか信じないかは君ら次第、ただそこにいる間宮巡査部長に免じて少しだけヒントをあげようって思っただけさ』


間宮「最後の質問の内容わかっていたのか…?」


白狐『かもね?』


志島「…お前の目的はなんだ?」


少しイラつきを見せながら問いかける


白狐『さぁ、何でしょう?』


志島「ふざけるな!!」


声を荒げる志島


白狐『んじゃまじめな話してあげるよ、ゲームはもう始まってるよ』


さっきまでの口調をやめ真剣な声色で話す


志島「ゲームだと…?」


白狐『詳しく知りたいならさっさと自分らの本拠地戻ればいいさ』


倉庫の外から慌てて駆けてくる警察官


警察官「志島警部、緊急連絡です!!至急本部へ戻れとの事です!」


少しの無言の間


志島「…わかった、おい犯罪者」


白狐『白狐だ』


志島「今度あったらてめぇの手と首に縄をかけてやるから覚悟しとけ」


白狐『…楽しみに待っといてあげるよ』


引き揚げる志島と警察官等を余所目に音のする方を睨む間宮


間宮「………」


数十秒後倉庫を後にする間宮


間宮(嘘か本当かは置いといて、警察の中に奴らの仲間がいるという発言…そしてその発言をこの場にいた警察官全員が聞いてしまった…)


間宮「やってくれたな…狐人…!」


怒りか悔しさか…はたまた無力感からかそう小声で呟く間宮

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