空の果てまで

 空の果てまで飛んでみたい。

 そんな事を思った事があるだろうか?

 もちろんそんな事を考えたところで、地球は丸くどこまでもぐるぐると回り続けるだけだ。

 

 その昔、空の果て、地平線の果てまで行きたい。そんな願いがあった。


 博士Aは思った。だったら地平線を作ればいいと

 博士Bは思った。だったら空の境界線を作ればいいと

 博士Cは思った。だったら現実を見せてやればいいと


 3人各々の研究をしてついに披露する日がやって来た。


 まずは博士A

「この機械を使えば地平線を人工的マーキングする事ができる。そこまで歩いて行けば地平線を超えることができる。」

 博士は地平線に向って機械を稼働させた。

 機械は強烈なビームを放ち、地平線に大きく分かる線を描いていた。

「なるほど、あそこにいけば地平線が分かるわけだ」


 次に博士B

「この機械を使えば空の果てに境界線を描くことができると」

 博士は空に向かって機械を稼働させた。

 機械は空に向ってたくさんの空気を送り出していった。

 空に雲が立ち込め、それが晴れると青い空があった。


 最後に博士C

「では、博士A、博士Bの成果を見に行きましょう」

「どうやって行くというのだ?」

「この機械を使います」

 博士は円盤型の乗り物を二人に見せた。

「ふむ、これに乗れという事か」


 3人の博士は円盤に乗り込み、まずは地平線を見に行った。

「うむ、私の作った地平線はちゃんとあるな、でも地平線まできたがここからさらに遠くに地平線が見えるな」

 博士Aがそう言うと博士Cは

「博士Aの行った事は惑星を丸くする事でした。丸くなったので始め私たちが見ていた場所から、今の地点は見えなくなったのです」

「なるほど、そういう事だったのか。まぁ地平線ができたので良しとしよう」


 次に空の境界線を見に行った。

「うむ、空の境界線はちゃんとあるな、おや、境界を超えたら真っ暗闇になってしまったな」

 博士Bがそう言うと博士Cは

「博士Bが作った境界線は空気の層です。確かに境界線が出来上がり、光の屈折であたかも空の果てがあるようになりました」

「なるほど、そういう事だったのか。まぁ空に境界線ができたので良しとしよう」


 三人の博士はそれぞれ納得して惑星を去っていった。

 この時、地球は丸くなり、大気圏ができるようになったのである。

 

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