第4話
「……おにぃさまのじゃ、ないと、嫌です……」
――――――――……。
……妹の身体を裏返して、前と同じように臀部を高く上げさせる。彼女は抵抗しなかった。其れ所か腰を振って悦びさえした。腰骨の上辺りが、ぞわぞわする。痒い様な痛い様な熱い様な感覚だ。不快ではなかった。寧ろ心地いいくらいだった。其れが、不快だった。
「――――――――お前は本当に馬鹿だな!?」
躊躇無く、一気に突っ込んでやった。声に成らない悲鳴が妹の喉から絞り出される。裂けたか? 知らん。悪いのはこいつだ。
「他の男にも、言ってるんだろ!?」
何を言ってるんだ。僕は。だから何だよ。僕だけに言って欲しいとでも言うのかよ。馬鹿らしい。妹はもがいていた。シーツを掴んで耐えたくても、手枷のせいで上手く掴めずに小さく呻いていた。背中には汗が吹き出していたし、臀部も怯える様に震えていた。其れでも僕は抽送を止めない。止めてやれない。頭の一部分だけは、酷く冷静だった。
「お前は誰でもいいんだろうけどな、僕は違うんだよ!!」
どの女を抱いても一緒だった。同じだった。満足なんて出来なかった。代わりにすらならなかった。当然だ。僕が欲しいのは妹だった。そうだ。そうだった。僕は妹が手首を切ったあの日、自分も同じようにしてしまおうと思っていたんだ。でも、お前が先に切ってしまった。泣いているお前を見て、僕は、僕の代わりに傷付いて泣いてくれている様に見えたんだ。偶然? 思い込み? あぁ、そうだろうとも。でも、其れでも。僕は。
「あの時、こうしてやれば良かった…っ…」
妹の身体を上から抱き締めて僕は呟く。そうしたら僕はこいつの初めての男になれたのに。……好きなように、出来たのに。其の考えに当時の僕は怯えて、逃げてしまったけれど。
「……やっ…いたぁ……痛い、よぉ……! 苦しい、よぉ……! にぃさまぁ……!」
ぐずぐずと涙を溢しながら息を吐いている僕の妹。苦痛のせいか舌足らずになってしまっていて、とても可愛い。其の姿を見ていたら、少し落ち着いてきた。あぁもっと泣けば良いのに。
「……慣れるまで入れてあげるから、大丈夫だよ」
少しだけ腰を引くと、はぁ……と彼女は小さく息を吐いた。其の吐息にすら背筋が震える。其の顎から零れ掛けている唾液を啜って、口移しで飲ませてやりたい。更に腰を引いてやると、きゅうぅ……と中が締まった。まるで僕のを抜いて欲しくないみたいに。
「……やらしいなぁ。お前は」
そう耳元で囁いてやると、中がうねった。仰け反る背中には、先程の苦痛とは違う汗が浮いている。
「……や、ちが…ちがい、ます……これは…勝手に…っ…」
僕からは彼女の表情は良く見えないと言うのに、其れでも顔を背けて恥ずかしがる様が堪らない。もっと押し込んでしまいたくなる。
「勝手に、なるのか。じゃあ、其れこそ変態だな」
くくっ、と笑って意地の悪い表情を作る。僕が何を考えているか何て、快感に溺れきっている妹には、解る筈も無い。其れでも僕はこの感情を知られたくはない。彼女は、多分僕の事を好いては居ないだろう。解っている。僕だって、好かれよう何て思っていない。此れは『自慰』でしか無いのだから。だから。
「……ひどいよぉ…っ…へん、に、なるのは……にぃさまの、せぇ、なのにぃ…っ…」
そういう事を言って、妙な勘違いさせるのは止めてくれ。解ってるんだ。今のお前が正気じゃ無い事くらいは。そんな甘ったるいうわ言を、誰に対しても言っているだろう事くらいは。其れでも、頬の筋肉が緩むのが止められない自分が憎い。数十センチ程引き抜いた自分自身を、数センチ程押し込むと、白い臀部と中が震えて、擦って、視覚と感覚から粘つく情欲を煽ってくる。
「っあぅ…ん…やぁ…にぃ…さっ、ぁ…っ…!」
そうして数センチの短い抽送を繰り返してやると、奥に刺激が与えられないのがもどかしいのか、自分から腰を突き出してきた。そこを見計らって腰を引いてやると、ひん!と情けない声を上げて、ひくひく足を震わせる。其れを見るのが堪らなく楽しい。
「人のせいにしちゃいけないな。お前は元から悪い子なんだよ」
言いながら臀部を優しく、ゆっくりと押し戻しながら撫でてやると、甘ったるい吐息がくぅん、と洩れていく。
「…悪い…子、だから、だめ、なの……?」
伺うように此方をちらちら見てくる其の姿は、親に怒られそうになって怯えて、其れでもご機嫌取りをしようかどうか迷っている子供の様だ。意識せずに思わず苦笑してしまう。
「……じゃあ『私は悪い子です。ごめんなさい』って言えたら、許してあげるよ」
そう僕が言うと、彼女は、ぱあっと音がしそうな位、顔を輝かせた。……好き者め。何時もなら形だけでも抵抗するだろうに、もう頭がどろどろに蕩けてゼリーになってしまっている妹は、躊躇いもせずに其の台詞を言おうとしていたが。
「私は、悪い子ですっ。ごめっ――――――――ひゃいぃっ!!?」
流石に其れでは面白くない。僕は思い切り彼女の尻を叩いた。
「……そっか。悪い子か。じゃあ、お仕置きしないと。ほら、もう一回」
笑って、抜けないようにまた少し腰を進める。其れだけでぐちゃりと水音が鳴った。
「っ…ぁ…わ、たし、は、悪い子です…っ……――――――――んぁっ……!」
被虐的な言葉を一言漏らす度に、中の壁が此方を小刻みに絞めて来る。
「…………っは」息が漏れた。いや、此れは笑いだろうか。また腕を振り上げる。
「やぁあ……ごめっ…なさぁ……――――――――…くひぃっ!?」
其の度に白い臀部が揺れて、喉が仰け反って、黒い髪の毛がばらけて背中に落ちていく様が、ただただいやらしい。
「……ほら、もう一回」
あぁ。押し込んでやりたい。奥に擦り付けて傘で抉ってやりたい。背骨の節に熱が篭る。でも駄目だ。耐えなければ。
「……んぁっ…ぁ…っ…わたし、はぁっ…わるいこ、ですぅ…っ…!――――――――ひっ! ぁあぁん!!」
情欲に任せて一層強く叩くと、彼女は震えながら尻を高く突き出して、僕のを根本まで加え込もうとしてきた。熱く蕩けた中が痙攣する様にうねって、先を絞りながら子宮口が吸い付いてくる。思わず呻き声が漏れた。背中にぞくりと快感が走る。
――――――――駄目だ。
逃がすまいと引き寄せる内側から、無理矢理、僕のを引きずり出す。其れと同時に、先から精液が噴き出した。引き抜いた直後だったので、狙いは当然、開いたままの穴になる。
「ひっ、やぁ……! あ、あ、あ、あ、っ……!!」
びしゃり、びしゃりと数回に渡って吐き出される精液が、尻を、穴の周りを、太股を汚していく。精液が当たる度に、女は小さく震えて声を漏らした。穴の周りは彼女自身の愛液と汗と僕の精液が混じり合い白く泡立って、太股の内側まで垂れていた。きっと匂いも酷いのだろうが、もう鼻は完全に馬鹿になっている。妹は鼻どころか、もう頭が馬鹿になっているので、涙と涎でぐちゃぐちゃになった顔を拭おうともせずに、達した後の余韻に溺れていた。幸せそうでなによりだ。流石に手枷や足枷を付けたまま寝かせるのもあれなので、外しておいてやろう。僕って何でこんなに優しいのかしら。あぁ、風呂を入れるのが面倒臭いな。どちらかというと僕は綺麗好きな方ではあったけれど、今は動くのが億劫だった。でもなぁ。此れ絶対明日の朝、カピカピになって後悔するパターンだよなぁ。改めて自分の身体を良く見てみると妹程では無いが、腰回りや太股には彼女の愛液やら自分の我慢汁やら汗やらがべったり付いていた。今更ながら雄と雌の据えた匂いに、頭がくらくらする。
「――――――――まぁ僕1回しかイッてませんけど」
と、いうよりあいつがイキ過ぎなんだ。何だあれ。僕だからいいけど、他の男だったら引くぞ。……あぁ、だから男と長続きしないのか。そんな事を微睡みながら考えていたら
「……おにーさまぁー……」
……後ろから抱き付かれた。アレか。また寝惚けてるのか。寝ろよもう。僕が勘違いする前に。
「あのなぁ……「どうしてなかにだしてくれなかったの?」
――――――――うん?
「なかにだしてもらえるとおもって、まってたのに。ひどい。にぃさまひどいよぉ。してぇ。もっかいしてぇ」
――――――――いや。いやいやいやいやいや。何を口走ってるんだ。こいつ寝惚けてると常にこんな風なのか?誰彼構わず?うわぁー…良く今まで無事だったな。……やる事をやっておいて説教をするのも、おっさん臭くて嫌だし「おい待て」何時の間にお前は僕のを撫で擦ってるんだ。
「おっきい……どうしよう、おくちにはいんない……」
そんな事を言いながら、小さく赤い舌先で先端をくすぐってくる。根本の辺りが火で焙られた様にちりちり疼いた。腰が浮きそうになって、寸での所で堪える。
「ふぁ…んっ…んぁう……」
ぺちゃぺちゃと音を立てながら、妹は僕のに舌を這わせていた。犬みたいに息を漏らして。涎を垂らして。馬鹿みたいに。此のまま無理矢理喉奥まで突いてやったら、どんな反応をするだろう。えづいて泣きながら吐くんだろうか。其れとも喉奥まで悦んで迎え入れるのだろうか。後者の様な気もしたが、前者で有ればいいと思った。今のこいつは、多分泣いて吐きながらでも、感じて狂えるだろうから。其の様を想像すると、背筋に震えが走った。もう此のまま、狂ったままで居ればいいのに。
「――――――――もう一度入れて欲しいんだよな?」
気が付けば僕はそんな事を口走っていた。僕のを舐めながら目を潤ませている彼女の姿に、幼かった頃の彼女の姿が重なる。そうだ。あの時も妹は泣きながら僕を見ていた。
「うんっ……! 欲しいの…いっぱい、いっぱいどぷどぷしてぇ……」
どろどろに腐った欲望を隠そうともしないまま、其れでも表情は無邪気な子供の様に彼女は笑った。
「……じゃあ後ろからしてあげようね」
そういうと、彼女は嬉しそうに声を上げ、素直にうつ伏せになって、尻を高く上げるポーズを取った。僕のを舐めながら感じていたのだろう。精液が乾いて白くなった部分に愛液が上塗りされて、穴の内側は更にどろどろに濁っていた。尻尾があったら千切れそうな程、振られているに違いない。
「……可愛いなぁ。お前は」
言いながら腰を掴んであてがってやると、女はきゅうん、と甘い声を上げた。わざと先端だけを中に入れてやると「んぁ……!」と鼻に掛かった様な声を漏らす。
「あ…っ…入れて…っ…入れて、下さい…っ…」
泣きそうなか細い声で、女は懇願する。其の声の響きはもっと焦らして虐めて欲しいです、と言っている様だった。
「……ちゃんと入ってるだろ?」
だから、望み通りにしてやる。先端だけを何度も抜き差ししてやると、蕩けきった穴から、卑猥な水音が響いた。入れているのは先端だけなのに、もう竿の半分程は伝った愛液で滑っている。
「…ぅあ…ぁあ…いやぁ……っ……いっ、ひぁあんっ!許、してぇ…っ…!」
女が腰を動かして、男を加え込もうとするのを腰を掴んでいる両手で制して、僕は至極浅い動きを繰り返す。両手からは滑らかな腰の小刻みな痙攣と、蒸れて汗ばんだ様な湿り気が伝わってくる。
「――――――――許す?何を?」
意味の無い言葉だと解りきっていた。其れでも僕は彼女の口から其れを聞く事を望んだ。悪趣味?其の通りだよ?
「…奥ぅ…っ…! おくまで、欲しいの…ぉ…欲しいよぉお…っ…! ごめんなさぁい…ぁっ……謝るからっ…やぁ…ご、めんなさっ……許してぇ…っ…!」
要領を得ない言葉。欲しがる言葉を吐く度に、其れよりも強くはっきりと雄を求める膣内の雌の蠢きに、息を吐く。多分、入り口だけで彼女は既に軽く達している。欲しがってごめんなさい。いやらしくてごめんなさい。謝りますから、もっともっと気持ち良くして下さい。気持ち良くなる事を許して下さい。……こういう事だろうか。
「――――――――いいよ」
そう言った瞬間、女の腰が小さく跳ねた。一気に奥まで入れてやりたかったが、其れでは此処まで焦らした意味がない。ずりずりと音がしそうな程の速度で、腰を進めていく。僅かずつ腰が進む度に粘膜は収縮して奥へと誘い、雄の性器を擦り、粘度の高い液体が溢れ出て来るのが解った。汗と籠るような、雌の匂いに性器がびくびくと反応する。
「……お兄ちゃんの、美味しい?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます