第3話

 だから……。だから? あぁ、何だ此れ気持ち悪いな僕。何で僕が妹の事を考えなくちゃいけないんだ。どうでもいいだろうそんな事。気持ち良くなれれば、其れで。浅い眠りから目を覚ますと、妹は相変わらず、すやすやと寝息を立てていた。自分だけ気持ち良くなって寝てんじゃねぇよ。こっちは1回も出していないのに。其れ所か、入れてすらいないのだ。

「――――――――もう、寝てる間に突っ込むか……」

 妹に気付かれない様に小声で呟く。ローションが備え付けて有ればいいんだけどな。まぁ無くても舌で解せば勝手にイッてくれそうではある。便利な身体だ。早速、寝ている妹の足元へと移動して、足枷を外してやる。……もう僕が付けてやった痕は消えていた。あぁ、だから、何だよ。何処から来るのか解らない苛立ちを抑えて、僕は女のベビードールを捲った。何だか変わった匂いがする。そういえば、昨日ぐちゃぐちゃのまま寝たんだよなこいつ。……無理にでも風呂に入れてやれば良かった。と、いうか今入れてやればいいのか。あぁ面倒だ。面倒だが仕方がない。手枷も外して、下着を脱がせてやろうとすると、うにゃうにゃ言いながら擦り寄ってきた。

「……あぁ、もう」

 本当に面倒臭いな。そういう事は本命にでもしてやればいいのに。そんな事を考えながら下着を脱がせてやる。身動ぎをするものの、目覚める気配は無かった。流石に引き摺っていく訳にも行かないので、抱えて風呂場まで連れていく。お湯はシャワーでこいつを洗っている間に溜まるだろう。椅子に妹を座らせる。其れでもこの女は起きない。睡眠薬でも飲んでたのか、コイツは。まぁ、シャワーでお湯を掛けてやったら流石に起きるだろう。1番強力なのをお見舞いしてやる(暗黒微笑)。僕は勢い良くシャワーのレバーを下げた。

「――――――――わぴゃっ!!?」

 何語だ。

「――――――――おはよう。僕の可愛い子猫ちゃん?」

 無駄に爽やかな声と顔を作って笑って見せた。勿論、嫌味だ。だというのに。

「ぁ……おにーさまぁ……」

 ふにゃりと抜けた顔をして、妹は笑った。何時ものにやにやした笑い方では無くて、もっと。ずっと。

「――――――――…おにぃさま? わたしを洗ってくれるんじゃ、ないの?」

 びくん、と背中が痙攣した。そう。そうだ。其のために風呂場に来たんだ。ついでだから、頭も洗ってしまおう。頭からシャワーをかけてやると、妹は何故か子供の様にはしゃいだ。妹の髪は長いので、適当にやってしまおう。其れでも僕の2倍は時間が掛かってしまうのだけれど。やっと洗い終えた頃には、お風呂のお湯も溜まっていた。しかし、不思議な事に何時も文句や嫌味の多い彼女が、じっと大人しく洗われていた事が気に掛かる。「……どうしたんだよ」思わず、そう聞いてしまった。すると。

「えへへ。えへへへへ。いっしょにお風呂、はいろうよぉ。おにーさまぁ?」

 きゃっきゃとはしゃぎながら、そんな事を言い出した。誰だお前。思わずそう突っ込む所だった。実際は突っ込む暇すら与えられず、湯船に引きずり込まれたのだが。

「――――――――おいっ……お前本当におかしいぞ!?」

 イキ過ぎておかしくなったのかも知れない。妹の両肩を掴んで揺さぶると。

「あれ……夢なのにくらくらする……」

 とか言い出した。つまりはアレか。寝惚けてたのか。今の今まで。

「――――――――此れは現実ですよ。妹さん」

 思わず敬語になる僕。ぽかぁんとした後、目を瞬かせて、其れから目を見開いて。たっぷり10秒程間を取ってから。

「――――――――うぎゃあぁああああああああ!!??」

 彼女は絶叫した。

「あぁあぁあぁあぁあ!!!違うんです!アレは違うんですぅううううううう!!!」いきなり絶叫して風呂場を飛び出したかと思ったら、彼女はベッドの上で枕をばすばす叩きながら喚いていた。まぁ、寝惚けた自分の姿があんなだと知られれば、喚きたくもなるか。もう、口調や声や喋り方、全部グダグダだったもんなアレ。そんな事を考えながらベッドに腰掛けて笑っていると。

「――――――――かっ……! 勘違いっ、しないでっ、下さいませねっ!? 別にっ、お兄様の事何てっ、なんっっともっ、思ってませんのよっ!?」

 と、何故か此方を睨んで、叫ばれる。ちょっと何言ってるか解んないですね。

「……勘違いも何も無いだろう。……止めるか?」

 思わず素で心配し掛けた。と、何故か彼女は一瞬だけ傷付いた様な顔をして、また此方を睨み付けて来た。

「――――――――止めませんわ。絶対に何を言われようと、止めません」

 意地になってるな。此れは。全く、変に負けず嫌いで我が強くて、本当に面倒臭い性格をしている。「はいはい……じゃあしようか」適当に頭をくしゃくしゃ撫でてやると、俯いてうーうー唸って。

「子供扱いするんじゃねーですわ。ばーかばーか!」

 そう罵って来やがった。何なんだ。もしかしてこっちがお前の素か。精神年齢10歳以下だな。いい歳の癖に。……あ。そうだ。

「――――――――でもして欲しかったら、コレ付けてね☆」

 バチコーン☆とウインクをしつつ、手枷と足枷を差し出す。彼女は其れを見ると、虫を噛み潰した様な顔をした。

「……別に、もう逃げませんわよ」

「気分の問題だよ。拘束ってエロいじゃん? いやらしいじゃん? 興奮するじゃん? まぁ、嫌ならいいんだけどねぇ~?」

 なるべく相手の気に障る様に、語尾を上げて喋る。勿論口元をにやけさせる事も忘れない。其れが大層気に障られたのか、無言で枷を付けて下さった。ありがたや。流石に手枷は一人では付けられないので、付けてあげましたけれども。

「さぁて……じゃあ何して欲しい?」

 へらっと笑って、聞いてみる。勿論、ろくに答えないだろう事を予想して。やっぱり彼女は黙り込んだまま答えなかった。其れでもいい。其の方が良い。

「じゃあ、僕のしたい事をしよう」

 くすくす笑って、僕は左手で妹の足首を掴む。何をされるか一瞬で察知したらしい彼女は、顔を赤らめた。見るからに嫌がるかと思ったのに。……そんな顔も出来たのか。まぁ今更だけれど。其のまま両足を持ち上げて、女の一番恥ずかしい部分が良く見えるようにしてやる。手枷の鎖がジャラジャラ煩く鳴っているけれど、当然無視だ。

「…っ…ぅ……」

 彼女は唇を噛み締めて羞恥に耐える様な声を出す。さっきだって散々弄ったりしていたのに、何故だろう。と思って気が付いた。改めて思い返すと、僕は此処をじっくりと見たりはしていない。

「……ほぉう」

 にやにやと口元が緩むのを押さえきれなかった。そうか。お前みたいなのでも、あそこをじっくりと見られるのは恥ずかしいか。だったらお望み通りにしてあげないとね。可愛い妹の為だもの。

「……別に、剃っている訳じゃ無いんだよね?」

 良く顔を近付けて見ると、妹のあそこには一本も毛が生えていなかった。剃った後も無い。空いている方の指でなぞってみても、ザラザラした手触りすら一切無い。面白くて、穴の周りを何度も撫でる。

「っぁう……や、やめぇ…っ…」

 びくびく足を震わせて、下から涎を垂らしながら言う台詞じゃないな。でも。

「あぁ、嫌なら止めるよ。ごめんね?」

 僕は優しい声と顔を作り、指をさっと離す。其の途端

「ぁ……っ…お兄様にしては、素直、ですわね……?」

 口ではこう言いながらも、妹は見るからに落胆した表情を浮かべた。ひねくれてる割に、こういう部分は物凄く素直だ。因みに素直なのは身体も同じで、僕が凝視している間にも粘ついた液体が足の間からとろりと零れてきていた。此れだけしたくて仕方無い癖に、生意気な口が聞けるのは凄いかも知れないな。

「はははは。嫌だなぁ。僕は何時だって素直だろう?まぁ、お前が弄って欲しいなら、そうするけれど?」

 にっこり笑って首を傾げてやると、また鎖がジャラジャラ鳴った。ははははは。可愛い奴め☆

「うぐ……ぅ…し、したい訳では、無い、ですのよ……只、女性にまっったくモテそうに無い、可哀想なお兄様に、同情してるだけ、であって…っ…」

 言いながら、太股は擦り合わされてくちゃくちゃ音を立てていた。お前、お情けでそんなんになるのか。マリア様越えたな。

「うん。其れで? 其の慈悲深い妹ちゃんはどうしてくれるの?」

 答えは解りきっていたけれど、尋ねてみる。

「…つ…っ…使わせて、あげても、いいですわ、よ……?」

 ――――――――あぁ。もう。泣きそうな顔をして顔を赤らめて強がって、コイツは馬鹿だな。本当に馬鹿だ。欲しい癖に。

「うんうん。使いたいなー使わせてくれるなんて、本当に君は天使の様な理想の妹ちゃんだーじゃあ足上げてみよっかー?」

 言いながら、妹の太股の内側を指先でゆっくりと撫でる。足枷の鎖がチリチリ鳴った。

「…あ…っな、何で、そこまでしてあげなくちゃいけませんの…っ…」

 眉を潜めて、嫌がる様な顔を作っていながら、頬は紅い。実際は我慢のし過ぎで、辛いだけなのだろう。粘るなぁ。まぁ耐えてから堕ちる方が、気持ち良いもんねぇ?僕は困った様な表情を浮かべて、溜め息を吐く振りをしてみせた。

「――――そうしてくれないと、難しいんだよ。ほら、足枷が邪魔でさ」

 其れなら足枷を外してしまえば良いだけなのだけれど、余裕の無くなってしまっている彼女には、其れが解らない。仕方の無い事だと、言い聞かせてやらなくては。言い訳や理由を与えて、言うことを聞かせてやらなくては。彼女は僕の言った陳腐な台詞に、小さく頷いている。

「…ぅん…それなら、仕方無い、ですわよね……」

「そうだよ。僕のために、『仕方無く』してくれるんだろ?」

 本当に妹ちゃんは優しいね。等と甘言を吐きつつ、だめ押しで頭を優しく撫でてあげた。俯いて、固まっている様が可笑しい。

「……そこまで、言うなら……まぁ、仕方無い、訳ですし……」

 そう言いながら、彼女はじりじりと足を上げていく。良く見なくても秘部はドロドロだった。入れて欲しそうにひくついている。

「…………で? 入れて欲しいの?」

 へらぁ、と笑う。妹の羞恥と期待に染まっていた顔が呆けた表情になる。どうしよう。笑いが止まらないぞ。

「へっ? ぁ…えっ……えっ?」

 僕は笑ったまま続けた。

「僕は入れるなんて言ってないよぉ。流石に無理矢理入れたらレイプになっちゃうもんねぇ? 許可を貰わないとねぇ? あ、そうだ。舐めてもいいですか、妹様?」

 ぽかんとした顔のまま。

「ん、うん……」

 こくりと小さく妹は頷いた。さて。許可も頂きましたので、早速。

「――――――――くひっ、ふぁあ!?」

 がくん、と音がしそうな程背中が反っているのが解る。舌を出来るだけ丁寧に一番感じるだろう場所に這わせて舐めしゃぶってやると、ぶるりと女の腰が震えた。

「えっ、あっ……やぁ!? やぁああぁあ!!?」

 愛液の量が多いせいで、舌を入れているにも関わらず中の舌触りは全く解らなかったが、まぁいい。舐めやすくは有るけれど、溢れてくる愛液のせいで窒息しそうだ。気紛れに尖った部分をつねってやると、ガチャガチャ煩い鎖の音と、一層甲高い悲鳴が部屋に響いた。本当に簡単にいくんだなコイツ。

「……っひ…あ…ぁ…おに…ぃ…さまぁ……」

 身体をびくびく痙攣させながら、妹は僕に手を伸ばそうとしている様だ。上半身が起こせない程、疲れている癖に。其の手はふらふらと天井に伸ばされている。僕は幽霊じゃありませんよ。

「何だい。妹ちゃん」

 何だか熱に浮かされている様だったので、思わず其の手を取ってしまった。熱い。文句でも言うつもりだろうか。

「焦らさ、ないでぇ……欲しい、です……ください……おにぃさまの、くださぁい……」

 ――――――――おやおや。

「いいの? 僕、お兄ちゃんだけど」

 今更だ。此れで躊躇したら面白いな、と思いながら言うと妹は困ったような、それでいて泣きそうな奇妙な顔をした。

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