イッツ ア スモールワールド
何か大きな事件が起こっていやしないかと
期待しながらテレビをつけた。
いつもこの時間にニュース番組をみるのが僕の日課となっていた。
大体いつも同じような内容だった。
知らない誰かが、知らない誰かを殺害したとか、
知らない場所で、知らない何かが人気になっているとか、
知らない制度が、何か新しく変更されることになりそうだとか。
こんなに関係ないことばかりに囲まれていると、自分が居なくても世界は何も変わらないんじゃないかって思えたりしてくる。
今日のニュースキャスターはいつもより神妙な顔をしていた。
毎回偉そうにしているコメンテーターも、言葉が見つからないような様子で黙って眉間にシワを寄せていた。
どうやら外国の何とかっていう国で怪獣が現れて、何万人?の人が犠牲になったらしい。
現在は科学技術を結集した連合軍によってもう退治されたとのことだった。
僕はバルコニーに出て外の世界を見渡してみた。
そこには何も変わらない風景が広がっていた。
少し待ってみたけど、非常サイレンの音も怪獣2号もやってくる様子はなかった。
僕はため息をつくと、他のニュースがないかスマホでチェックした。
怪獣の記事ばかりで、どれもこれも僕には関係がなさそうだった。
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