さよならの現在進行形

もう二度と会えない人がいる

またねって言ってそれきりの人が


死んだ人のことじゃないよ

きっと今も元気でいる人たち


何となく話が合ったあいつとか

少し気になっていたあの娘とか

部活で憧れていた先輩とか

バイト先で最後まで優しかった人とか


そういう微妙な人

でも、その時の自分にとっては重要だった人たち


最後の瞬間も、最後の言葉も

思い出せないくらい自然に別れるんだ


ふと気付けばもう交わらないように出来ている

誰かと同じものをみていられる時間は実はとても短いんだ


ねえ、君たちに会えなくなって、

何にも困ってないんだけど、

実は別に会いたくもないんだけど、

たまたま一人で夕焼けの中を歩いたりしてると、

思い出して少し寂しい気持ちになるんだ。


この道があの時のあの場所に繋がっていたら、なんだか小説とか映画みたいだなって。


もし本当にそんな不思議なことが起こって、別れのその瞬間に戻れたら


「さよなら、ありがとう」


って言うのかな。


いや、結局、もう会わないこと知っていても


「またね」


って言うんだろうな。

さよならの現在進行形として。

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