第35話:密室殺人

 ドンドンと今度は、ミラが

ママ母の部屋のドアを叩いた。


「お母さん。起きて、お母さん。」

 ガチャガチャとドアノブを

開けようとするが、内側から

チェーンロックが掛かっていて

開かない。


「こっちも鍵掛かってンの。」

 レンが嬉しそうに言った。


 お前、何がそんなに楽しいンだ

。少しは場の空気を読めって・

・・・


「っとなると・・・、

密室殺人かもしれないな。」

 レン。


 え・・・何だよそれって・・・

「なに、バカな事を・・・」

 ミラが睨んだ。


 その頃には、外にいた

警官たちも現れ、龍崎仁の

殺害現場を保全していた。


 応援のパトカーのサイレンが

近づいてきているようだ。


 こっちはママ母の部屋の前で

どうするか、検討中。


 そこへ階段から光輝が降りて

きた。


 彼の部屋は4階だった。


 ドンドンと誰かが下のドアを

叩いたので起きたのだと言う。


 麻生リナだろう。

 リナは今、悲嘆に暮れている。


 数100億の遺産相続の

青写真が狂ったからか。


 矢作と田上がママ母のドアの

チェーンロックをこじ開け、

やっとご対面だ。


 しかし・・・・、

 またも事件発生。ミラの悲鳴。


 矢作たちも呆然としていた。


 部屋の中で、ママ母が死んで

いた。服毒死かと思われる。

 何だ。この屋敷は、マジで

呪われているのか。

 

 いったい、ひと晩で何人死ね

ば気が済む。


 矢作がママ母を確認したが、

どうやら手遅れらしい。

 

 テーブルには毒の入った小瓶。


 ウイスキーに混ぜて飲んだようだ。

 ま、飲まされたのかもしれない

が・・・・、


 だが、これが、殺人なら密室

殺人と言うヤツだ。

 

 さぁ、矢作さんよ。どうする。

 あんたが、解決するのか。

 それとも・・・・


 あたしは、隣りで嬉々として

事件を見守る美少年に恐ろしさ

さえ感じた。


 お前・・・、

 マジで真犯人じゃないよな。

 

 龍崎レン。


















  








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