第31話:殺人ライブ・02

キャ~ーーーーー。屋敷でも悲鳴が轟く。

ママ母の悲鳴だ。そのまま、卒倒した。慌てて、黒木や捜査員たちが抱きかかえた。

そりゃぁ、そ~だ。

愛(まな)息子のシオンの殺人ライブだ。今度だけは大目に見てやろう。

事の発端は10分ほど前だ。

捜査員たちが慌ただしくネット中継を観るよう勧(すす)めてきた。

ユーチューバーのネット動画でも見ろっていうのか。

あたしは、たいして興味はなかったが、モニターにシオンが映った時は、目を疑った。何とも侘(わび)しい姿だ。ナルシストのシオンもこうまで、貧相になるかってくらい憐(あわ)れな姿だった。

そして、画面は真っ黒な三角頭巾をかぶった謎の男が現れ、一気に緊張感が漂った。

<これより処刑を行う。>機械で声を変えているのだろう。

妙に耳障りだ。

<私の名前はオズの処刑人だ。>オズの処刑・・・

ガラガラガラッと重いものを引きずる音が響き、シオンが助けを求めて喚いていた。

だが、構わず、処刑人は斧をシオンの横に立て掛けた。

「やめて~ーーー」屋敷ではママ母の悲鳴が響いた。

だが、処刑人は、

「悪(あ)しき魂に報(むく)いを・・・・」と言い、斧を振りかぶった。

そこからは、音声が途絶えた。何か不味い事でも言ったのか。

そして・・・・執行人は斧を振り下ろした。

ギャー~ーーっと言う悲鳴。そして鮮血が飛び散った所で画像は停止した。

それを見たママ母が引っくり返ったってワケだ。

ま、直接首の切断する場面は映らなかったが、かなり強烈なインパクトだ。

それにしても・・・オズの処刑人とは・・・

さすがに、あたしも背筋に冷たいモンが走った。














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