第28話:処刑人

 龍崎家の屋敷に宅配便が届けられた。宛名はママ母の舞香だった。


 かなり、大きな包みだ。家政婦の高松みいなが受け取った。

「何かしら、これ・・・」舞香へ持っていくが、それどころじゃない。


 シオンの行方がわからず、龍崎仁が麻生リナと結婚すると聞いて、半狂乱の状態だ。


「あの、奥様にお届けモノが・

・・・」

「は~?そんなモン、知りません。勝手に開ければいいでしょ。」

と怒鳴られた。

「う~ン・・・」


仕方なく高松みいなが中を調べてみると、

「キャ~ーーーーーーー❗!!」と悲鳴が轟いた。


何事かと、家政婦たち、ママ母、ミラらが駆け寄った。


 みいなは腰を抜かしていた。

包みの中から生首が出てきたのだ。


 オズのメンバー、ロックの生首だ。


 屋敷中に全員の悲鳴が響いた。




 地下室。ガラガラガラっと重い金属を引っ張る音が響いた。

かすかにワルキューレが流れていた。


シオンがガムテープでグルグル巻きにされ放置されていた。

「おい、頼む。許してくれ・・・オレじゃないンだ。」

「フフ・・・オレに謝ったって仕方ね~よ。」

「何、オズじゃないのか。お前は

・・・」

「いやオズだよ。オレの知ってるだけでもオズは、3、4人いるけどね。」


「何~、オズは複数いるって事か?」

「ま、そういう事さ。悪いな。オレは、ただの処刑人なんだ。」


「処刑人・・・」

「そ、オレは頼まれただけさ。あんたの死刑を。」

「バカな・・・金か・・・金なら、倍・・いや、好きなだけ出す。だから、オレを助けてくれ。」


「金か~・・・ま、有りゃぁ、あっただけ嬉しいだろうが・・・こっちも殺してもらいたいヤツがいるんでね。」


「な・・・」

ガラガラガラっと重そうな斧を引きずって来た。


「別に、取り立ててあんたに怨み

はね~が・・・」

「やめろ・・金なら幾らでも出すから・・・」


「オレも大事な人を殺されたンだ。どうしても復讐したかった。だが、今の法律じゃ仇討ちは許されない。だから、オズが出来たんだよ。」

「く・・殺人の代行・・・」


「ああ・・大々的に交換殺人を行う・・・・。オズが教えてくれたのさ。」

斧を持ち上げた。


「よせ。そんな事、許されるのか~。交換殺人なんて・・・」


「フ・・、もうおしゃべりの時間はお仕舞いだ。」

そう言うと、重たそうな斧を振り上げた。


「止せ~ーーーー❗!!」

シオンは絶叫した。















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