第24話:麻生リナ・宣戦布告
あたしとレン、光輝がリビング
に戻ろうとすると、そこでも
また全面戦争の様相を呈していた。
ママ母の怒鳴り声が廊下にも
漏れてきた。
「ふざけなさんな~。」
って、おい、こっちは朝食も
食べずに朝から揉め事に付き合ってンだ。
こっちがふざけんなだよ。
「何、今度は・・・」
レンが、リビングに入るなり
無邪気に聴いた。
「だから~・・」麻生リナだ。「言ってるでしょ。あたし、仁と結婚するって・・・」
は~~ーーーーー・・・・・、
おいおい、どういう展開だ。
仁って龍崎仁とか・・・
あのジジーと結婚って・・・、
出会って二日だろ・・・
有り得ないだろ~普通。
「何を言ってンのよ。今日は、
エイプリルフールなの。」
とミラ。
いや、全然、違うだろ。
「だって、オバさんとは内縁なん
でしょ。関係ないじゃん。」
茶化すように麻生リナ。
「オバさん・・・」
ママ母の顔が歪んだ。
「関係なくは、ないわよ。」
とミラ。
おいおい、関係あるのか、
ね~のか、どっちだ。
ま、関係あるって言いたいン
だろうけど・・・・・。
「あんた幾つよ。子供でしょ。」ミラ。
「子供じゃないわよ。見る~。」
見ね~よ。
「見る見る~。」ってレン。
お前は、どっか庭の庭園に
バラと一緒に植わってろ。
そしたら手入れしてやるから・
・・
「未成年だって言ってンのよ・・・。淫行じゃないの。」
ミラ。
「20だよ。これでも・・・」
童顔だ。とても20歳には見えない。
「は~、免許は・・・」
「ないよ・・」
「じゃ、身分証明は・・・」
「ないって・・・」
「あんたね~。じゃぁ、どこの誰か全然わかンないじゃない。」
「あのね~・・・そんな事ど~だっていいじゃん。愛し合ってれば。」
「愛しって・・・」全員、閉口。
「だって、仁くん激しいンだもん。」
って、お前、童顔のクセに・・・、言うことは過激だな。
さすがに、ママ母もミラも目が点。見ると家政婦の野上由衣も顔をしかめてる。愛人だからな。分け前が減るだろう。それも大幅に・・・・
「アッハハ」レンは楽しそうに拍手。お前、火に油を注ぐな。
「とにかくこれから仁くんの面倒はあたしが見るから・・・」
1000億の遺産を貰うためだろ。
「そんな事・・・許されると思って・・・」ママ母。
思ってンだろうな。コイツは・・・余裕の笑みだ。
一気に遺産相続レースは最終コーナーか。
だが、隣の光輝は、冷ややかな目で麻生リナを見つめていた。
おい、桐山・・・どこに行ったンだ。
お前、顧問弁護士だろ。
早くこの混乱を解決してくれよ。
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