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お人形さん遊び

部屋の隅で天井を見つめる人形の焦点は合わない。ブロンズの髪は絡まり、衣服は乱れ、関節はあらぬ方へ曲げられている。

「この程度ならまだマシね。美容室ごっこで自慢の金髪をゴワゴワにされた上に角刈りになった子がいたっけ。メイクだと言って油性ペンを使われて...。あれは本当に気の毒だったわ。」

「いつかこの黒髪も火で炙られてチリチリにされるんだわ！」

くぐもった声が玩具箱から聞こえ、突き出た足が震えている。

「大丈夫よ。まだ火遊びは禁止されているはずだから。」

お片付けを放棄された人形たちは夜を彷徨い、楽しそうに遊ぶ少女達の声のする方へあなたを誘う。歓楽街へと手招くものはいつだってあなたのオトモダチなのだ。