最後の日常








それから、四日が経ち――


『遅くなりましたが、今晩零時です』と、

聖先輩から連絡があった。


つまり、学園で過ごす一日は、

今日が最後になるということだ。





時間が過ぎるのは、

あっという間だった。


普段は退屈だなぁと思う授業も、

賑やかなお弁当の時間も、等しく過ぎ去った。


これで、この学園での僕の生活は終わりだ。


「おっしゃあ終わったぁ!

晶、これからカラオケ行くぞ!」


「あ……ごめん。

今日は真っ直ぐ帰らないとダメなんだ」


「えー、何か用事あんの?

そんなんサボっちゃえば?」


「お前はいつも無茶言うんじゃない」


「ちぇー。つまんねーのー」


「ごめんね。付き合えなくて」


「ああ、別にこれのことは気にしなくていいよ。

晶くんは心置きなく用事を優先してくれ」


「うん、ありがとう。

……それじゃあ、さようなら」


「ん?」


「晶くん?」


「……なに?」


呼び止められ、

二人と向かい合う。


と、二人は真剣な顔で、

僕の顔をまじまじと見つめてきて――


『何かついてる?』と聞き返したところで、

ようやくその表情をほどいた。


「……いや。何でもない。

私が考え過ぎてただけだ」


「そだね。何でもない」


「そっか……ならよかった」


「それじゃあね、晶くん」


「明日はカラオケねー!」


手を振る二人に笑顔を返して、

教室を出た。





二人の勘の良さに驚きつつ、

何とか隠し通せたことにホッと息をつく。


……本当は、せめて一杯お世話になった二人には、

きっちりと事情を説明して別れたかった。


けれど、二人を巻き込む可能性を考えれば、

それはできない。


「……今まで本当にありがとう」


誰にも聞こえないように呟いて――


せめて最後に、

校舎を歩いて回ることにした。






「やっと見つけた」


「那美ちゃ……佐倉さん……」


あちこち回って、最後に辿り着いた場所には、

原点とも言うべき人が待っていた。


「声かけようと思ったら、

すぐいなくなっちゃって、探して回ったんだよ」


「あ……うん。ごめん」


佐倉さんが僕を探していた?


何か用事でもあったのか?


「あのね……

きちんと、話しておきたいことがあるの」


「……なに?」


「あのね、ミコちゃんから聞いたの。

晶ちゃんと会えるのは、今日が最後だって」


「だから、晶ちゃんと、

最後にきちんと仲直りしておきたくて」


あ……。



「今さらって思うかもしれないけど、

ケンカしたまま別れるなんて嫌だから」


「いや、今さらだなんてそんな……」


時期なんて関係ない。


佐倉さんとの――那美ちゃんとの仲直りは、

僕がずっとずっと夢見てきたことなんだから。


「でも、いいの……?」


「いいって?」


「僕は多分……

那美ちゃんに酷いことをしたんだよね?」


前に、那美ちゃんが

『僕の別人格を話した』と言っていたけれど。


今思うとアレは、きっと、

話したんじゃなくて脅したんだ。


それどころか、

那美ちゃんを殺しかけたまである。


でなきゃ、那美ちゃんが、

あんなに人が変わるくらい怯えるはずがない。


「記憶にないし、もちろん僕の意思でもないけれど、

那美ちゃんにしたことは許されることじゃないと思う」


「だから僕は、那美ちゃんに許される資格が

ないんじゃないかって……」


「それは、私も同じだよ」


「晶ちゃんが違う“何か”になったと思って、

ずっと突き放してきたんだもん」


「……それくらい酷いことしたんだ。

本当にごめん」


「違うよ。

責めてるわけじゃないの」


「だいたい、晶ちゃんが覚えてないのに、

悪いって言うのはおかしいでしょ?」


「私は、晶ちゃんが誰かと入れ替わったと思ったから、

ずっと怖かっただけだよ」


「晶ちゃんが、私の知ってる晶ちゃんなら、

嫌いになるわけないじゃない」


「だって私は、晶ちゃんのことを、

ずっと傍で見て来たんだから」


「晶ちゃんがいい子だってことは、

私が誰より知ってるんだから」


「那美ちゃん……」


「だから……ね」


「もう一度、友達になりたいの。

晶ちゃんとお別れする前に」


……色々と、

思うところはあった。


僕が今までずっと積み重ねてきた気持ちとか、

佐倉さんがこれまで抱いてきただろう思いとか。


もっと早く仲直りできていればと、

時間を惜しむ気持ちもあった。


ほんの小さなすれ違いだったのにと、

悔やむ気持ちもあった。


「……やっぱり、

今さらこんなこと言うのは卑怯だよね」


でも、それ以上に――


「間に合ってよかった」


「……えっ?」


「ありがとう、那美ちゃん」


自然と手が伸びていた。


初めて会った時、

僕が那美ちゃんにそうされたように。


驚く那美ちゃんの手を取って、

しっかりと包み込んだ。


昔と同じ柔らかさと温かさが、

そこにあった。


「また那美ちゃんと友達になれて、

本当に嬉しい」


「晶ちゃん……ごめんね。

こんなに待たせちゃって」


「ううん。間に合って本当によかった」


いつの間にか、

目に涙が溜まっていた。


心の底からホッとしてる自分がいた。


全部片付けたと思っていても、

もう心残りはないと思っていても。


やっぱり、佐倉さんのことは、

諦め切れていなかったんだな。


でも、これでもう本当に終わりだ。

この街でやることは、全部なくなった。


みんなからもらった思い出と、

“笹山晶”を持って。


僕は今晩、この街を出る――







街を出るまであと三時間となり、

荷物をまとめていたところで、携帯が鳴った。


液晶画面で発信者を確認してみるも、

番号は非通知。


……いたずら電話?

それとも、変な勧誘か?


これから手引きしてくれる人たちや、

ABYSSの可能性もあるか。


大事な連絡の可能性を考えると放置もできず、

迷った末に電話を取った。


「晶か」


……数多兄さん?


まさか、逃げようとしていたのがバレたのか?


「今晩のゲームのルールが決まった。

よく聞いておけ」


「……ああ」


そういうことか。

それなら問題ない。


どうせ僕は、そのゲームに参加することなく、

この街を出ることになるんだから。


「ゲームは約束通り、

ABYSSのゲームに準拠したものになる」


「ただ、生け贄と違いお前は戦闘が可能なため、

幾つか条件を変更させてもらった」


「通常のゲームのルールは把握しているか?」


「舞台は学園で、五人のABYSSから逃げながら、

制限時間内にクリア条件を満たすくらいは」


「十分だ」


「変更点だが、まず、

ABYSSの人数は五人固定ではない」


「生け贄側がチェックポイントを通過するたびに、

五人ずつ追加されることにする」


「チェックポイント?」


「生け贄側のクリア条件の一つだ。

全五カ所を通過することでクリアとなる」


……なるほど。

ウォークラリーみたいな感じか。


「でも、五カ所って……

二十五人も使うのは随分酷いと思うんだけれど」


「お前は通常の生け贄とは異なり、

ABYSS側を倒す力を持っているからな」


「五人固定では強力な駒を入れざるを得ないが、

それはお前も望むところではないだろう?」


強力な駒と聞いて、頭の中に有紀ちゃん――

アーチェリーのABYSSが過ぎる。


確かに、あんなのを複数用意されるくらいなら、

二十五人のほうがマシだと思った。


「それに、別に全てを倒す必要はない。

チェックポイントを通過すればクリアだからな」


「ゲームとして成立するラインを考えて、

適宜追加という形式にした」


「なるほど」


どうせ参加する気もないのだからと、

適当に相槌を打つ。


「それ以外では、

クリア条件と敗北条件が異なる」


「本来のゲームは、五つのクリア条件があるが、

今回はもっと簡素に二つだけだ」


「一つは、先に話したチェックポイントの通過。

五カ所通過すれば首輪を解除できる」


「首輪……ああ」


そういえば、

生け贄は首輪をつけられるんだったか。


「制限時間は五時間。

零時開始の五時終了だ」


「それまでにチェックポイントを通過できない場合、

生け贄の首輪が作動する」


五時間っていうことは、

一時間で一カ所を回る計算だな。


もし、その一時間で陽動を仕込めるなら、

本当に生け贄側にも勝機はあるのかも。


「それで、もう一つは?」


「人質の救出」


……は?


「聞こえなかったか?

人質の救出だ」


「ちょっと待て、人質!?」


「何を驚いている。

本来のゲームに準拠しているだけだが」


「それは……」


……そうだ。失念していた。


ABYSSのゲームは、

常に生け贄と人質がセットで浚われる。


今回、特殊な形式でゲームをするにしても、

例外になるかどうかは兄さん次第だ。


けれど――


そんな僕の戸惑いを見透かしたように、

人間味を感じさせない平坦な声が続ける。


「人質の選定も、

ABYSSのゲーム準拠だ」


「……どういうことだ?」


「生け贄と最も関係の深い人物が

人質として用意される、ということだ」


瞬間、電流が走ったかのように、

背筋が痺れるのを感じた。


引きつった筋肉が、呼吸を妨げる。

電話を持つ手が震え出す。


最も関係の深い人物。


二人の名前が思い浮かんだけれど、

そのうちの片方――琴子は、隣の部屋にいる。


ということは、


「ま、さか……」


最悪の想像が巡る。


と同時に、携帯の向こうから、

ようやく人間らしい笑声が聞こえてきた。


「そう――佐倉那美。納得だろう?

殺したくなければ、上手く助け出すんだな」





「……じゃあ、ボクらがこのまま街を出れば、

那美ちゃんは殺されるんだな?」


「人質ってことは、

そういうことだと思う」


電話の後――


情報を共有し、その結論に至ったところで、

ミコは忌々しそうに奥歯を鳴らした。


「数多のヤツ……やってくれるな」


「……今思うと、先週の時点で、

僕らが逃げ出すことを予想してたんだと思う」


「だろうな。

向こうが一枚上手だったってことだ」


ミコの言う通りだった。


仮に予想できていたとしても、

防ぎようはなかっただろう。


もしも那美ちゃんを保護していたところで、

代わりに爽や温子さんを浚われれば同じことだ。


ABYSSの存在を外に漏らせない以上、

複数を保護というのは現実的じゃない。


「それで、どうするんだ?」


「……どうするって、ゲームに参加するしかないだろ。

那美ちゃんが捕まってるんだから」


「一応聞いておくけど、死ぬぞ?」


「僕が行かないと那美ちゃんが死ぬ」


「この先、那美ちゃんに会うことがないとしても、

ここで那美ちゃんを見殺しにすることはできない」


「実利を考えれば馬鹿げてるのは分かってる。

でも、そういう問題じゃないんだ」


「仮に那美ちゃんが明日、交通事故で死ぬ運命でも、

那美ちゃんを見捨てること自体があり得ないから」


「ボクも同じ意見だ。

那美ちゃんは友達だからな」


「ミコ……」


「ゲームの開始はいつだ?

ルールをもう一度教えろ」


「……いや、ゲームには僕一人で参加する」


『はぁ?』と、

ミコの眉間に深い深い皺が刻まれる。


……まあ、その反応は予想していたけれど、

こればっかりは譲るわけにはいかない。


「数多兄さんが狙ってるのは僕だ。

ミコまで巻き込まれることはないよ」


「……お前、頭がバカか?

一人でどうにかなるわけないだろ」


「逆に、ミコが一緒に来ても、

どうにかなる可能性はそんなに上がらないよね?」


「だったら、失敗した時に犠牲になるのは、

僕一人だけでいい」


「そうやって

那美ちゃんを殺す気か?」


ミコが僕の目をじっと見つめてくる。


その視線には、殺意も怒気もなかったものの、

後ろに押されるような強さがあった。


「お前がやろうとしてるのは、

那美ちゃんを見殺しにしない言い訳を作ることだ」


「お前のやりたいことは何だ?

那美ちゃんのために死ぬことか?」


「被害の大小に関わらず、

那美ちゃんを助けることじゃないのか?」


「それは……」


「だったら、ボクを連れて行くのが、

打てる手としては最善だろ」


「それとも、単に生きてるヤツの数を増やしたいのか?

だったら、那美ちゃんを見捨てるのが一番いい」


「ボクらはもう、全滅覚悟で那美ちゃんを助けるか、

那美ちゃんを見捨てるかしか選べないんだ」


「どっちも取りたいなんて甘い考えが、

数多に通じるわけないんだからな」


「それは……分かる。でも……」


「那美ちゃんもそうだけれど、

僕は、琴子とミコにも死んで欲しくない」


「……それで、

自分は死んでもいいっていうのか?」


「もちろん、僕も死なないようにはするよ。

でも、最悪の時のことを考えたら……」


那美ちゃんのことはもちろん大切だけれど、

琴子とミコとどっちが大事かなんて比べられない。


那美ちゃんも、琴子たちも、

全員が助かるのがベストだ。


なのに、わざわざ琴子たちを危険に晒すなんて、

到底許容できるわけがない。


だから――

そう言おうと思ったところで、


「この、野郎……」


僕の言葉を遮って、

ミコが立ち上がった。


その顔を見て、思わず息を呑んだ。


「ちょっとは

残される側の気持ちも考えろよっ!」


ミコは、本当に僕を殺しかねないくらい、

真剣に怒っていた。


「お前は何でそうなんだよ!

御堂の家が襲われた時も! 今回も!」


「何でまた、ボクのことを置いて、

一人で死にに行くつもりなんだよ!」


「あの時、一人残されたボクが、

どんな気持ちだったか分かるか?」


「どれだけ寂しくて、どれだけ不安で、

どれだけ震えてたのか分かるか?」


「お前のことを殺してやりたいくらい怖かった、

ボクの気持ちが分かるのかよ!?」


「ボクだけじゃなくて、

琴子にまでそんな思いをさせる気かよっ!?」


息を荒げて、声を大にして、

火が出そうなほどの怒りをミコがぶつけてくる。


話を聞く限り、恐らくは御堂の襲撃の時から、

ずっと胸に秘めていたんだろう。


……そういえば前に、

ミコが僕を殺したいほど憎んでるって言ってたか。


その憎悪の根っこが、

今ぶつけられた怒りにあるんだとしたら――


当時、置いて行かれたミコが感じていた不安は、

僕なんかに想像もできないものだったんだろう。


そして、形は違えど、

僕は今また似たようなことをしようとしていたのか。


「……ごめん」


ミコに心から頭を下げる。


また……自分のことばっかりで、

ミコの気持ちを全然考えてなかった。


「僕はばかだ」


「そんなの分かってる」


吐き捨てるように言って、

ミコが再び椅子へと腰を下ろした。


聞こえて来る大きな溜め息に反省しつつ、

気持ちを整理する。


僕のしたいこと。ミコの気持ち。

成功の可能性と失うことへの恐怖。


諸々を考えた末に、

出た結論は――


「ミコ」


「なんだ?」


「那美ちゃんを助けに行くの、

手伝ってくれる?」


「当たり前だ。

那美ちゃんはボクの友達だからな」


「……ありがとう」


那美ちゃんを守りたいのは、

僕だけじゃないんだ。


なのに、

僕が怖がってばかりでどうするんだ。


大切な人を失いたくないなら、

僕が守るつもりで踏ん張らないと。


「とりあえず、聖先輩に電話するよ。

事情が変わったことをまず報告しないと」


「ついでに、可能なら助けも求めろ。

前線でも後方支援でも何でもいい」


了解と返答しつつ、

携帯の電話帳から聖先輩を選択――


監視されてることは覚悟の上で

コールする。


「晶くんですか!?」


「はい。すみませんが、

聖先輩に報告したいことがあります」


「御堂数多の件ですね。

先ほど、彼から連絡がありました」


「やっぱり……

ゲームに参加するんですね?」


はい――と、こちらの堅い意思を伝えると、

電話の向こうで深呼吸する音が聞こえてきた。


「……晶くんなら、

きっとそう言うだろうと思っていました」


「すみません。

色々良くしてもらったのに……」


「気にしないでください。

晶くんの判断なら、きっと間違っていませんから」


準備を全て台無しにしたにも関わらず、

先輩は僕を全面的に肯定してくれた。


……本当に、

この人の後輩でよかった。


「それで、

御堂数多に対してですが――」


「あ……っと、

電話ではまずくないですか?」


「ああ、盗聴は気にしなくて大丈夫です。

向こうはもう、する意味もないでしょう」


「……どういうことですか?」


「今回の“ゲームで決着を付ける”という件は、

私たちが上に許可を取り付けたものなんです」


「もし、私たちが余計な介入をすれば、

それは上の顔を潰すことになります」


「そうなれば、上の人間が出て来てしまうので、

勝ち目は完全にゼロということに……」


「ああ……なるほど」


ということは、ゲームの内容に関しては、

もう参加者を含めて弄れないんだな。


そして、僕を逃がさない状態を作った時点で、

兄さんは僕を詰ませているようなものだと。


「そうなると、聖先輩の力を借りることは、

もうできない感じなんでしょうか?」


「はい……悔しいですが、

私にできることはもう無いに等しいです」


「そうですか……」


少なからず期待していたんだけれど、

手を借りれば逆に勝率が落ちるならどうしようもない。


「分かりました。

こっちだけで何とかします」


「すみません。

こんなことになってしまって……」


「いえ。気にしないで下さい。

先輩には十分過ぎるくらい協力してもらいましたから」


「……ああ、そうだ。

ちょっと質問をいいですか?」


「はい、何でしょう?」


「ゲームに介入できないということですが、

それは僕のほうでも不可能なんでしょうか?」


「……具体的には?」


「ミコと一緒に行こうと思っています」


「それは……数多の判断次第だと思います。

ダメと言われればダメになるかと」


「……そうですか」


「数多がダメって言っても、

ボクが勝手に乱入してしまえばいいんだろ?」


電話に聞き耳を立てていたミコが、

聖先輩に聞こえるように声を上げる。


「それは不可能ではないと思いますが、

基本的に周囲はABYSSが人払いをしています」


「部外者は容赦なく攻撃されますし、

命の保証もありません」


「ふん。力尽くで抜ければ関係ない」


「ですが、儀式に介入すれば、

それはABYSSに狙われる理由になります」


「今回の件で、仮に数多を打破できたとしても、

今後も追われることになる可能性が……」


「別にボクはそれでいい」


「いや、よくないから」


それじゃあ結局、何も変わらない。


今回の件で全て終わるわけじゃないなら、

やっぱりミコは連れて行かないほうが……。


「あっ!」


いきなり聞こえてきた大声に、

思わず携帯を耳元から離した。


「……どうしたんですか先輩?

いきなり大声出して」


「ああ、ごめんなさい。

上手い案を思いついたんで」


「この手なら、ミコちゃんが

ABYSSに狙われるのを回避できます」


「本当ですかっ?」


「はい。恐らくこれが、

私たちにできる最後の介入です」


よく聞いて下さいと、

先輩が上擦っていた声を落ち着ける。


そうして、説明が始まり――



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