第7話 1817X2017
脳外科一般病棟312号
義之助は、目覚めた。
見知らぬ
天井が目に写る。
白くて眩い光。
敷き布団は白くてフワフワ。
何か違う。何だろ。暴風雨も死の足音のしない世界
傍らに ひとみが?南蛮人衣装でたたずむ。髪は結っていない。
ゆっくりとひとみ の顔が近づき
唇を重ねる。舌が絡む
たまらず、右手が胸に。ゆっくりと乳房をなで上げる
!!?
『アナタ誰?義明のさわり方じゃない』
パコン!
ひとみは、力任せにハンドバックで義之助のあたまを殴り倒した。
ナースが音を聞きつけて病室に駆け込む
三毛猫屋 奥座敷
義明は、目覚めた。
見知らぬ板目の天井。
畳の香り
にゃーにゃー どこからかネコの鳴き声
傍らに、ひとみ?がたたずむ。和服に髪を結っている?
ゆっくりと ひとみの顔近づき唇を重ねる。舌が絡む。
たまらなくなって、義明は ひとみの胸を鷲掴みした。
!!?
『あんた誰?義之助のさわり方じゃない』
パコ!!?
手持ちの輪島塗りのお盆が義明の頭を直撃。
音を聞きつけて、先生が駆け込む。
『女将、殴ったらアカン。死んじゃうって』
各被害者の怪我を書いている紙に
伊藤義之助
三毛猫丸船長
全身打撲
左足欠損
頭頂部タンコブ
義之助は、目覚めた。
「南蛮人衣装のひとみに殴り倒された」
一言 言って
『なわけないかぁ。』苦笑して
生きてる事を噛み締めた。
2017年
T市 医療センター3階 脳外科カンファレンス室
Dr石黒の名札の男性は、
「お名前を教えて下さい。」
「脳出血患者を殴ったらダメですよ。」
ひとみは、答える
「すみません。橘ひとみと言います。」
「ただ、義明さんか義明さんじゃない気がして、無我夢中で殴りましたm(_ _)m」
1817年ひとみ
『あの義之助は誰だったんじや』
2017年橘ひとみ
『あの義明さんは誰だったんじや』
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